医師が退職する理由の上位には、“人間関係の悩み”が挙げられます。
医師は比較的高収入でやりがいのある仕事ではありますが、さまざまな人と関わる中で、
「うまくコミュニケーションが取れない」
「上下関係についていけない」
「新しい科の雰囲気に馴染めない」
といったような悩みが生まれがち。
この記事では、実際に人間関係で悩みを抱えている医師に向けて、その原因と解決方法を解説していきます。
「プライベートとの両立が難しい」「給料に納得がいかない」など、医師の退職理由がさまざま。その中でも医師を悩ませる原因の一つが、「職場の人間関係」です。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構.「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、“医師として働く上で疲労を感じるもの”という項目のアンケートで約25%、つまり4人に1人が“職場風土・人間関係”を選んでいます。
さらにこの調査は年齢別でも行われており、以下のような結果となっています。
年代 | 少し不満 | 不満 |
---|---|---|
20歳代 | 5.7% | 2.4% |
30歳代 | 11.9% | 4.5% |
40歳代 | 12.2% | 7.4% |
50歳代 | 13.3% | 4.7% |
60歳代以上 | 12.0% | 3.6% |
20〜30歳代では比較的不満に感じている人が少ないのに対して、40歳代以降は不満を感じているという回答が多くみられました。中でも40歳代が“少し不満”“不満”と回答した割合が高い結果に。
これは、医師として活躍の場が広がる、いわゆる「働き盛り」の年齢が40歳代であることが関係していると推測されます。スキルアップやキャリアアップのためにさまざまな方面でアクティブになり、その分人間関係に窮屈さを感じることが多くなるのかもしれません。
人間関係の悩みはどの職種でもつきものですが、医師特有の悩みが多いのも事実。
これらが医師を人間関係で悩ませてしまう主な原因です。
派閥や上下関係が明確になっていることが、医師の悩みの種になるケースが多く見られます。
特に、大学病院では、医学部時代からの上下関係が医局内でも続くため、人間関係に長く悩まされるといったことも。
芳しくないことではありますが、この派閥や上下関係が医師としてのキャリアアップに大きく響くことがあるのも実情。孤立してしまったり、悪い印象を与えてしまったりすると、出世が遠のいてしまうこともあります。
そのため、上司や院長と関係性を築く、周囲の人に気を配るなど、医師としてのスキル以外にも力を注がなければならず、人間関係の大きな悩みになるでしょう。
医師は医療現場の中心的な存在と言えますが、看護師や病院職員、外部のスタッフなどと連携を取り、協力しながら患者の治療に励まなければなりません。
また、患者のケアや家族のサポートも医師の仕事の一つ。このように、関わる人間が多い分、人間関係の悩みも増えていきます。
医師という立場上、指示を出すことが多いものの、周りの人とのコミュニケーションがしっかり取れていないことが原因で業務が捗らないこともしばしば。世間話などの雑談も交えながら、信頼関係を築いていくことも重要になってきます。
症例や病院システムの偏りを防ぐ、さまざまな環境を医師に経験させるなどといった目的がある医局人事ですが、慣れた環境から新しい環境に変わる際はやはりストレスを感じやすいもの。
業務内容が変わらないとしても、科ごとの仕事の進め方や雰囲気など、少しずつこれまでと異なることが出てきます。その科にいる人とコミュニケーションを取って関係性を新たに積み上げていかなければならないのは、悩みの種となりかねません。
基本的に人手不足である医療業界では、医師が休みなく働いたり、オンコール待機で気が休まらなかったりと激務に追われるケースが多くみられます。
プライベートとのバランスが取れなくなり心に余裕がなくなることで、普段は気にならないような出来事でも過敏に気にしてしまうように。これにより同僚の発言や上司との関係などにストレスを感じやすくなってしまうということが考えられます。
人間関係に悩んでいるとはいえ、努力して手にした医師という仕事から離れることは本意ではありませんよね。
まずは悩みを解決するための方法を考えてみましょう。
人間関係は、小さな意識から改善されるかもしれません。
明るい声で「おはようございます」「お疲れさまです」などと挨拶をする、ちょっとしたことにでもお礼を伝えるなど、日頃からのポジティブなコミュニケーションを改めて意識してみましょう。
医療現場の中心となるのは医師ですが、周りの人のサポートがないとうまく進められないことがたくさんあります。普段からのコミュニケーションが、業務のサポートを円滑に進めてくれることもあるため、意識してみましょう。
関係値が築けてきたら、挨拶が何気ない雑談などに発展することがあるかもしれません。
“報告”、“連絡”、“相談”、いわゆる“報連相”は業務上のコミュニケーションの基本です。
些細なことでも報連相を行っていくことで上司や同僚、部下との人間関係が築きやすくなるだけでなく、業務のサポートにも入ってもらいやすくなります。
話しかけづらいタイプの上司や気難しい同僚などにも、業務についての報連相であればハードルが低く、人間関係を築くきっかけにしやすいでしょう。また、「頼ってもらえた」という意識によって、チームとしての結束力も高まりやすくなります。
仕事とプライベートの時間のバランス、いわゆる“ライフワークバランス”を見直してみるのも、人間関係の改善に間接的につながってきます。
通常の勤務に併せて、緊急の手術や入院、オンコール、当直などによって拘束時間が長くなってしまうのが医師の現実です。医師にとって過酷な環境がストレスの蓄積につながり、同僚のちょっとした発言でも気に触るようになるなど、良好な人間関係に支障をきたしてしまうように。
こういったライフワークバランスの乱れが人間関係のこじれに繋がっているという心当たりがある場合は、まずは自分のための時間、もしくは家族と過ごす時間を確保することにフォーカスしてみましょう。
医師のライフワークバランスについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、目を通してみてくださいね。
>>医師がワークライフバランスを保つには?現状や課題、できることは
現在の職場にいる人たちとはどうしてもうまくやっていけない、という人もいるでしょう。その場合は、思い切って転職してみるのも選択肢の一つです。
自分の努力だけではどうにもならないことがあるのが、人間関係です。うまくやっていけないことで自分を責めるのではなく、「環境を変える」という方法も視野に入れてみましょう。
転職する際は、医師専門の転職サイトを活用するのがおすすめ。担当コンサルタントに現在の人間関係の悩みを伝えれば、自分の希望に沿った転職先を紹介してもらえるでしょう。
医師転職サイトには数多くの種類があるので、いくつかのサイトを比較して選ぶのがおすすめです。
また、人間関係のトラブルを避けたい人には、“非常勤”という働き方もおすすめ。常勤医師と比べて勤務時間が短く、職場の人と関わる機会も少なくなります。契約内容によってはオンコール待機や当直もないため、ストレスを感じにくいでしょう。
常勤医師であることにこだわりがない場合は、非常勤医師として働くのも視野に入れてみるといいですよ。
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どんな職場でも、人間関係の悩みはつきもの。ただ、過酷な医療の現場では小さな悩みも心身の負担につながり、仕事を続けていくのが辛いと感じてしまうこともあります。
「たかが人間関係」と捉えて我慢するのではなく、快適に働けるように解決を試みてみましょう。
また、うまくいかない人間関係に向き合うのが疲れたときには、思い切って転職を視野に入れるのも一つの手。
医師転職・求人サイト「メディカルキャリアナビ」では、転職を希望する医師に寄り添い、コンサルタントが適した職場を提案します。
常勤医師はもちろん、非常勤医師への転職に関する相談も承っておりますので、自分に合った環境で働きたいとお考えの方は、ぜひご利用ください。
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