精神科医の平均年収はいくら?
常勤・非常勤の勤務医や開業医など、働き方別の平均年収を紹介。
さらに、年代別・地域別の年収事情や他の診療科との比較など、さまざまな角度から精神科医の年収について調査しました。
記事の後半では、精神科医が年収アップをめざす方法についてもご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、病院などに勤務する精神科医の平均年収は、1,230万2,000円です。
その内訳は以下の円グラフのとおりです。
もっとも多いのが1000~1500円未満で33.0%。
次いで1500~2000万円未満が24.8%、3番目が700~1000万円未満で18.3%となっています。
年代別にみると、20代〜30代の精神科医の年収のボリュームゾーンは1,000万円以上~1,500万円未満。
20代が54%、30代が68%と半分以上がこの金額帯におさまっています。
それに対して40代以降のベテラン医師になると、1,500万円以上~2,000万円未満の割合が最も多くなります。
その内訳は40代が62%、50代が74%、60代以上が73%です。
このことから精神科医の年収は一般的な他の職業と同様、年齢や勤続年数、経験に応じて給与は上がる傾向にあると考えられます。
データ引用:https://www.recruit-dc.co.jp/contents_nenshuu/seishinka/
>>今は医師でもキャリアプランが必要な時代!年代別にみる考え方のポイント
地域別にみると、精神科医の平均年収が最も高いのは関東地方です。
しかし、中国・四国や九州・沖縄など地方も高い給与水準にあり、北海道・東北地方では平均年収2,000万円以上の精神科医が30%も占めるというデータもあります。
地方では医師が不足しがちなぶん、好条件を提示している求人が多いのがその一因だと考えられます。
データ引用::https://www.recruit-dc.co.jp/contents_nenshuu/seishinka/
診療科目 | 平均年収(万円) |
内科 | 1247.4 |
外科 | 1374.2 |
整形外科 | 1289.9 |
脳神経外科 | 1480.3 |
小児科 | 1220.5 |
産科・婦人科 | 1466.3 |
呼吸器科・消化器科・循環器外科 | 1267.2 |
精神科 | 1230.2 |
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科 | 1078.7 |
救急科 | 1215.3 |
麻酔科 | 1335.2 |
放射線科 | 1103.3 |
その他 | 1171.5 |
引用:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」
ほかの診療科目と年収を比較した場合、精神科医の年収は上位から8番目となり、全体で見るとやや低めの水準といえます。
しかしそのぶん同調査によると、精神科医の週あたりの労働時間は38.4時間と全診療科目のなかでもっとも短く、給与に対する満足度も、小児科(51.2%)、産科・婦人科(47.6%)に次いで45.8%と高い数値を誇っています。
精神科医の平均年収は診療科目にみるとやや低い水準にあるものの、そのぶん実労働時間が短いことから、適切な対価が支払われていると満足している医師が多いようです。
>>医師の平均年収の現実!高すぎる?中央値や最低収入など徹底解説
精神科医のなかには常勤の勤務医だけでなく、自分で病院や診療所などを経営している開業医や非常勤(アルバイト)として働いている人もいます。
精神科の開業医の平均年収は、2,587万9,000円です。※1
また、非常勤については診療科目別のデータはないため、医師という大きな括りにはなりますが、その平均給与は1時間当たり1万1,231円となっています。※2
※1 令和元年第22回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告p149-中央社会保険医療協議会
※2令和3年賃金構造基本統計調査-「短時間労働者の職種(小分類)別1時間当たり所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業別)-厚生労働省)
>>開業医と勤務医の年収の差は?開業のメリット・デメリットとあわせて解説
精神科医の働き方や給与は、活躍している場所によっても異なります。
そこでここからは、精神科医が主に活躍している場所について、その給与や働き方の特徴について紹介します。
精神科がある総合病院や精神科単科病院で働く精神科医は、入院患者の管理や外来患者の診察などが主な仕事です。
総合病院の場合は、睡眠障害などを抱える他科患者の診療までおこないます。
どちらも重症度の高い入院患者の診療があることから、比較的業務は忙しく、時間外勤務や日当直も多いです。
しかし、そのぶん業務内容に応じて、勤務医の給与は高くなる傾向にあります。
無床または19床以下の入院施設を持つメンタルクリニックも、精神科医が活躍している主な場所の一つです。
メンタルクリニックには入院施設がない、または少ないため外来患者の診療がメインとなります。
とくに学校や職場で心の悩みを抱える人が多くなった現代社会では、入院施設のない小規模なメンタルクリニックを開業する精神科医も増えてきています。
メンタルクリニックの開業に高額な医療機器は不要であり、初期投資や維持費を抑えられることから、精神科医の開業医の平均年収は高い傾向にあります。
全都道府県に設置が義務づけられている精神保健福祉センターなどの公的機関も、精神科医の勤務先の一つです。
精神保健福祉センターとは、地域の精神保健福祉活動の拠点として、こころの病気や精神障がいの知識普及、相談および指導をおこなう施設です。精神保健福祉センターで働く精神科医は、主に復職や就労支援に向けた診療や精神相談など、福祉や医療行政にまつわる多様な業務に携わります。
こういった公的機関は福利厚生が充実しており、時間外勤務もほとんどないなど、ワークライフバランスが整っているのが特徴です。ただし、そのぶん年収は1000万円以下にとどまることが多くなっています。
精神科医には、企業の従業員の健康管理にかかわる産業医として働くという選択肢もあります。
産業医の仕事は、企業の従業員が健康かつ快適な作業環境で働けるよう、専門的な立場から指導や助言をおこなうことです。
具体的には、健康相談や保健指導、従業員を対象としたストレスチェックと高ストレス者に対する面談などが主な業務として挙げられます。
求人検索エンジンindeedによると、産業医の平均年収は826万2928円です。しかし、実際には求人案件や勤務形態、勤務日数などにより、その給与は700〜2,000万円と大きな幅があります。
精神科医が年収アップをめざすには、主に以下3つの方法があります。
専門医とは、その診療領域においてじゅうぶんな知識と技術を修得し、標準的な専門医療の提供および先端的な医療の情報提供ができることを証明する資格です。
従来、精神科医の専門医は日本精神神経学会が認定しており、指定された研修施設及び指導医のもとで3年以上学んだ後、専門医認定試験に合格することで取得できました。
しかし、2018年4月より、このように各診療科の学会が独自に認定する旧制度から、日本専門医機構が統一的に認定する新専門医制度が導入されています。
新専門医制度では、初期臨床研修を終えたのち、専攻医として精神科医の研修プログラムに3年以上参加します。そのうえで症例数や論文数などの必要要件を満たし、筆記試験などをクリアすることで精神科の専門医資格が取得可能です。
現在はその移行期間であるため、その移行措置の対象や詳しい内容については、下記を参考にしてください。
>>【重要なお知らせ】学会制度から新専門医制度への移行措置について-公益社団法人 日本精神神経学会
精神保健指定医とは、厚生労働大臣によって指定されている国家資格です。
精神科医として5年以上の臨床経験(そのうち3年以上は精神障害の診断・治療経験)を積み、研修の受講やレポートの提出、口頭試問などをクリアすることで取得できます。
精神保健指定医を取得すると、法に基づいて、重度の精神障害を持つ患者の措置入院や医療保護入院、緊急入院などの強制入院や、隔離・身体拘束など一定の行動制限などが可能になります。
先述した精神科専門医にはそのような強制力はないため、実質精神専門医の上位資格といえるでしょう。
診療報酬が高いスーパー救急病棟(精神科救急入院料病棟)では、精神保健指定医5名以上の配置が義務付けられています。また、精神保健指定医の有資格者であることを採用条件とする医療機関も多いです。
高度かつ専門的な精神科医療に携われるようになるため、精神科医としてのキャリアアップや年収アップをめざす場合には、欠かせない資格だといえるでしょう。
年収を上げたいなら、より待遇の良い職場に転職するというのも一つの手段です。
同じ精神科の勤務医でも、勤務先によっては平均年収に何百万円も差が出ることもあります。
医師の転職には、医師専用の転職エージェントの利用がおすすめです。
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精神科医の平均年収は、常勤の勤務医が1,230万2,000円、開業医の場合は、2,587万9,000円です。
常勤の勤務医の平均年収は、他の診療科目と比べるとその給与水準はやや低め。しかしそのぶん実労働時間が短いため、労働に見合った対価が支払われていると満足している医師が多いようです。
また、メンタルクリニックの開業には、内科や外科とちがって高額な医療機器が不要です。初期投資や維持費用が他の診療科と比べてかからないため、開業医のなかでも精神科医の年収は高い傾向にあります。
精神科医が年収アップをめざすには、精神科専門医や精神保健指定医などの資格取得や、より条件の良い職場への転職などがおすすめです。
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