医者の平均年収は1,000万円以上が相場で、30歳を過ぎると年収が増えると言われています。自分の年収と比較して高い・低いと感じる方も多いでしょう。
しかし、医者の年収は年齢で大きく異なり、現状に満足していない方もいるようです。
そこで本記事では、30代の平均年収や年代別で見る年収事情をご紹介します。また、30歳から年収をアップする方法を解説しているのでぜひ参考にしてください。
これから医師を目指すにあたって、医者の平均年収はどのくらいあるのか気になる方も多いでしょう。ここでは医者の年収がどのくらいなのかご紹介します。
厚生労働省が発表した「第23回医療経済実態調査の報告(令和3年実施)」によれば、国公立病院や大学病院などで働く勤務医の平均年収は約1,445万円でした。平均給与は約120万円ということになります。
一方、国税庁による「令和3年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均年収は443万円です。
このことから、医者の年収は民間給与額よりも3倍以上高いことがわかります。
下記では医者の生涯年収について詳しく解説しているので、気になる方はぜひご覧ください。
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30代になると平均年収は1,000万円以上となります。30代前半の男性医師の平均年収は約1,008万円、後半は1,444万円です。
女性医師の場合は、30代前半で883万円、後半で約1,354万円となります。
30代は資格を活かした臨床現場での活躍がメインとなり、医師としてのキャリアアップを図れる時期です。30代後半は中堅医師として部下の指導を任されることもあり、臨床に携わる時間が増加します。
さらに独身の方は当直や残業を引き受けることが多いため、時間外手当を含めると若手の20代よりも高くなることがあるでしょう。
また、女性の場合は家族を優先し、出産や育児休暇によって収入に影響を与える傾向にあるかもしれません。
一方、30歳以降の男性は、ワークライフバランスを重視するより専門性を高めたり転職して高収入を目指したりするなどでキャリアアップを図っていくため、徐々に年収が高くなることが多いです。
医者の年収は年齢によって大きく異なります。下記では30代以外の平均年収をまとめました。
研修医期間中の20代前半は、30代の平均年収1,000万円よりもかなり収入が低いのが特徴です。
20代前半の平均年収は、男性医師が約470万円で女性が440万円です。このデータは上述した給与所得者の平均年収443万円と大差ありません。
また、20代後半の平均年収は、男性医師が約750万円で女性が約640万円です。20代後半になると専門医の資格を取得し始めたり、学位取得のために医局に残ったりとさまざまな選択をしなくてはならなくなります。
研修期間の2年間はアルバイト(非常勤)することは禁じられていますが、研修が終わればアルバイトも可能です。アルバイトしているとなると、実際の平均年収よりもさらに多くなるでしょう。
40代医師の平均年収は40代前半の男性が約1,340万円、後半で約1,570万円、女性医師は40代前半で約1,190万円、後半で約1,300万円です。
40代になると部長や副院長など、管理職の能力が求められることが多くなり、教育担当や院内外での役職や業務に就くこともあるかもしれません。
また、この年代は開業に向けて準備を始めることが多いようです。
50歳以降になると経験豊富なベテラン医師として臨床で活躍することが多いです。50代の平均年収は男性だと前半・後半ともに約1,650万円、50代前半の女性の場合は1,420万円、後半で1,400万円となります。
また、副院長や院長など、病院経営の運営に携わることもあることから、年収のピークは50代であることがわかります。
60歳以降になると体力的にも厳しくなり、必然的に勤務時間が減少します。
実際に60代の平均年収は60代前半の男性が1,650万円、後半になると1,400万円と急激に下がります。女性の場合も同じで、60代前半で1,440万円、後半で1,310円です。
30歳で年収がアップしていき、60代以降で急激にダウンする背景には定年問題が挙げられます。国立病院などの医療機関では65歳を定年としているため、役職がなくなりそのまま定年退職を迎えることが多いようです。
また、「医師不足」と言われる時代ですが、少子高齢社会となり将来的に「医者あまり」の状態が生まれるといった懸念点も取り上げられています。
実際に厚生労働省の「医師の需給に関する検討会報告書(案)」によると、2028年には医師が約35万人となり、医師不足が解消する見通しです。
とはいえ、70代でも年収を1,000万円キープしている方もいます。医師としての希少性の高さをアピールしていく時代に移行しつつあるのかもしれません。
年収1,000万円の手取り額は、賞与も含め約725万円です。それに加えて年収と仕事内容が割に合わないと不満を抱えている30代医師もいます。ここでは、医師の仕事がきつい理由を3つピックアップしました。
医師は夜間や週末にも勤務することが多いため、一般的な「8時間労働」になることはほとんどなく、勤務スケジュールが不規則です。
その背景にオンコール問題が挙げられます。
オンコールとは、通常の勤務時間外に緊急の医療サービスを患者に提供することです。例えば、夜間や週末に患者から緊急の電話があった場合はすぐに対応しなくてはなりません。
いつオンコールがあるのかわからないため、休日の予定が確保できないなどの悩みを抱えている医者も多いようです。
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画像引用:勤務医労働実態調査2022概要
医師が年収と割に合わないと感じる大きな理由は、労働環境がきついことが挙げられます。上記で記載した「医者あまり」問題が取り上げられていますが、まだまだ医者不足であることは間違いありません。
上記のグラフから見てもわかるように、バリバリ働かざるを得ない20〜30代は勤務先で「労働基準法を遵守していないのでは」と思う医師が多いようです。
反対に年齢が高くなるほど管理職など役職に就くことが多くなり、労働環境について不満が少なくなっていく傾向にあります。
また、厚生労働省は2024年4月1日に向けて医師の働き改革を進めていますが、現実に考えると労働環境がきついという問題はなかなか解決しないかもしれません。
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画像引用:労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査
医師が失敗することは生命の危機が訪れることがあるということです。特に手術は些細なミスも許されない状況なので、一般人では到底考えられない重い責任を感じることもあるでしょう。
誤った判断は致命的な結果やリスクをもたらす可能性があるため、このプレッシャーは計り知れません。このことから、年収が1,000万円だと物足りないと感じる医者も多いようです。
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今の現状に満足できていないなら、年収をアップさせることでモチベーションを高められるかもしれません。ここでは、30代の医師が年収をアップさせる4つの方法をご紹介します。
高額な年収を目指せる診療科は「脳外科医」「産婦人科医」です。それぞれの年収は1,400万円以上ですが、開業医になると5,000万円近く稼げる場合があります。
ただし、脳外科医と産婦人科は高い技術が必要となり、誰もがなれるわけではありません。
例えば、脳外科医になるには脳神経外科学会の定める所定の研修プログラムを修了し、脳神経外科専門医試験に合格するといった条件があります。
狭き門に合格した医者が高年収を獲得していることが多い傾向にあります。
また、子育て経験のある医者にとって小児科はとても人気があり、転職する方も多いです。小児科の平均年収は約1,200万円と上記に比べて少ないですが、それでも平均年収よりも高いです。実際に体験したことを活かせてやりがいを感じられるでしょう。
美容外科医になるメリットは勤務時間が短いことです。さらに成功報酬や手術した数によってインセンティブを実施しているクリニックもあります。
美容外科医になることで、年収3,000万円を目指すことも夢ではありません。美容外科医に転科するメリットを知りたい方は下記をご覧ください。
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2019年度の厚生労働省「第22回医療経済実態調査」によれば、開業医の平均年収は約2,763万円でした。
しかし、経営者としてのマネジメントを勉強しなくてはならないため、30代のうちから計画を立てて、40歳以降から活動できるように準備しておくことが大切です。
開業医になるには、医療機器や設備投資が必要となりますが、それさえクリアすれば自分の好きなように経営ができ、体力的にも負担が少なくなると言われています。
平均年収の相場と比較して、今の金額に納得いかなければ転職する方法がおすすめです。
転職するためには企業の情報収集や準備が必要ですが、求人サイトや転職エージェントを利用すれば自分で検索する手間が省けて転職活動に役立ちます。
医師転職サイトの選び方やおすすめの病院やクリニックを下記でご紹介しているので、参考にしてください。
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医師は30歳から年収がアップし、50歳にピークを迎えます。この間にさらなるキャリアアップを図ることで、年収がさらに高くなるかもしれません。
そのためにはまず理想とする条件に合った病院に転職・転科するなど今後の身の振り方に注目してみてはいかがでしょうか。
医師の転職・転科を希望するなら、年収や仕事内容などを確認してご自身に合いそうな勤務先を探すことが大切です。
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