医師として働いていると、「年収はいくらか」「実際に手元に残る手取りはどのくらいか」が気になることが多いでしょう。年収が高いといわれる医師の仕事ですが、実際の手取り額は税金や社会保険料などの控除によって大きく左右されます。
また、診療科や勤務形態によっても年収や手取りに差が出るため、将来のキャリアプランを考えるうえで知っておくべきポイントが多いのも事実です。
本記事では、医師の年収と手取りの構造、税金や控除の仕組み、キャリアプラン別の収入差、そして将来的な収入アップのための戦略を詳しく解説していきます。
現状の収入について知りたい方から、キャリアの選択肢を広げたい方まで、ぜひ参考にしてください。
医師の年収と手取りには大きな違いがあり、その要因には雇用形態や専門分野、年齢、地域など多くの変数が絡みます。
厚生労働省の「令和年度賃金構造基本統計調査」によると、勤務医の平均年収は約1,200万円~1,500万円と言われています。手取り額はここから所得税、住民税、社会保険料などが控除されるため、年収の70~80%程度になるのが一般的です。
しかし、累進課税のシステムにより、年収が高いほど控除される金額も上がるため、実際の手取りは思っているよりも少なくなる可能性があります。
たとえば年収1,500万円の医師であれば、手取り額は約1,040万ほどのケースも。
医師は年代ごとでも年収が変わってくるため、若手医師では年収が約700万円程度で手取りが500万~600万円となるケースが多い一方、50代以降のベテラン医師では年収2,000万円を超えることもありますが、手取りでは約1300万円ほどになってしまうようです。
家族構成や勤務先などの条件で税金が変わってくるため、上記はあくまで一例ですが、自身の給与明細を定期的に確認してみましょう。
診療科による年収の差は大きく、外科系(心臓外科、脳神経外科、整形外科など)は内科系よりも年収が高い傾向にあります。また、美容外科や形成外科は自由診療がメインであるため、一般的に非常に高収入です。
一方、小児科や一般内科などは保険診療が多く、平均的な年収に落ち着くケースが多いです。
都市部と地方では年収に差がある場合があります。都市部の大規模病院では給与水準が高い一方、地方のクリニックや病院では比較的給与が低めになることも。
ただし、地方で医師が不足している地域では高額報酬の求人もあり、地域によって給与が異なることも覚えておくと良いでしょう。
診療科目、年齢別の年収は以下の記事にまとまっています。ぜひご覧ください。
>>医師の給料は高すぎる?現実の年収・最低年収・手取りを徹底解説!年齢別や科目別の年収、収入アップの方法も紹介
年収が高くなるほど手取りとの差が大きくなりますが、その理由は税金や社会保険料の控除にあります。これらを理解し、節税対策をしっかり行うことで、手取り額を増やすことができます。
前述したとおり、所得税は累進課税制で、収入が高いほど税率が上がります。たとえば、年収900万円以下の場合の税率は23%ですが、1,800万円を超えると40%を超える税率が課されます。一方、住民税は一律10%ですが、年収が増えると納税額も増えます。
これらの税金は給与から源泉徴収されるため、給与明細で確認できます。
所得税、住民税以外にも、厚生年金や健康保険、介護保険などの社会保険料が年収に応じて控除されます。これらの合計額は一般的に年収の10~15%程度となります。特に高年収の医師の場合、社会保険料の上限額も高いため、控除額が大きくなります。
医療費控除や住宅ローン控除、ふるさと納税の活用は手取り額を増やす有効な手段です。
医療費控除では、1年間にかかった医療費の自己負担額が10万円を超える場合、その超えた分を所得から差し引くことができます。
住宅ローン控除も長期にわたって税金を軽減するため、将来を見据えた住居購入と合わせて検討すると良いでしょう。
それ以外にも、生命保険料控除や地震保険控除、不動産投資など、節税対策として様々な手段があります。
医師のキャリアプランを考える際、年収や手取りを意識するならば診療科の選択と雇用形態の見直しが重要です。
収入アップを目指すなら、診療科の選択が非常に重要です。外科系や美容外科、形成外科は自由診療のため収入が高い傾向にあります。
また、麻酔科や救急科は夜勤手当やオンコール手当が加わるため、給与が上乗せされる場合もあります。逆に、小児科や一般内科は保険診療中心のため平均的な年収となることが多いです。
勤務医から開業医へキャリアチェンジすることで、年収を大幅に増やすことが可能です。開業医は診療報酬のほとんどを自身で受け取るため、年収2,000万円以上も期待できます。
しかし、開業には初期投資や経営のリスクが伴います。また、開業後は患者の集客や経営管理など新たなスキルが求められるため、事前の準備やリサーチが必要です。
>>開業医と勤務医の年収の差は?開業のメリット・デメリットとあわせて解説
転職や専門分野の変更だけでなく、非常勤医師としてのスポット勤務やアルバイトを活用することも収入アップの手段です。
例えば、美容外科のスポット勤務や夜勤専従のアルバイトでは、1日あたりの報酬が高いものも多く、空いた時間を活用して手取りを増やすことができます。
>>医師が非常勤でアルバイトするのはなぜ?その理由とメリット・デメリット、求人の探し方を解説
転職を通じて年収や手取りを増やしたい医師が押さえるべきポイントを詳しく解説します。
給与だけでなく、オンコール手当や夜勤手当、引越し手当などの手当を含めて交渉することが大切です。また、勤務時間や休暇などワークライフバランスに関わる条件も合わせて交渉することで、より良い働き方を実現できます。
事前に現状の勤務条件と他の医療機関の条件を比較し、自分が譲れないポイントを明確にしておくと交渉がスムーズになります。
高収入を得ることも重要ですが、それ以上に自分の生活や家族との時間を大切にする働き方のバランスも考慮すべきです。過度な勤務や夜勤が続くと、体調を崩したり、家族との時間が減るなど生活の質が下がる可能性があります。
転職先の職場環境やワークライフバランスを重視し、無理なく働ける環境を見つけましょう。
医師専門の転職エージェントは、非公開の高収入求人を多数抱えています。また、医療機関との交渉力を持っているため、希望する年収や条件での転職を実現するためにサポートしてもらうと良いでしょう。
年収だけでなく、勤務時間や福利厚生など、総合的に考えた上で交渉することが成功のカギです。
医師転職・求人サイトのメディカルキャリアナビでは、医療現場を熟知した転職エージェントが応募者の希望に寄り添った求人情報をご提供します。
また、メディカルキャリアナビがコンサルティングを行なっている医療機関や関連会社からの非公開求人を保有しているため、他社が取り扱っていない好条件の求人情報をご提供することも可能です。
あなたにぴったりの転職先が見つかるよう、全力でサポートいたしますので、ぜひ一度ご相談ください。
\完全無料サポート/
今すぐキャリア相談
無料でご相談・
コンサルティングいたします。
まずはメールでご連絡ください
正式に求人へエントリーするまで、
医療機関へ個人情報を提供することはございません。