転科とは、医師が専門とする診療科を変更することです。医療業界で専門医としてのスキルを学ぶには、専門の診療科で長い間研鑽することが必要です。
そのため、専門を変えることは医師人生にとって大きなキャリアチェンジを意味します。中でも美容外科へ転科する方はとても多く、人気の高さがうかがえます。
そこで本記事では、美容外科へ転科するメリットや失敗しないコツをご紹介。さらに美容皮膚科との違いについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること一覧 |
美容外科へ転科したきっかけ美容外科と美容皮膚科の違い美容外科へ転科するメリットやデメリット美容外科の転科に成功させるポイント |
美容外科へ転科したきっかけは以下の通りです。
これらについて詳しく見ていきましょう。
参照:労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査
労働政策研究・研修機構「給与・賃金の額に対する満足度」の調査によると、年収が高くなるほど満足度が高いことがわかっています。
美容外科のほとんどは保険診療ではなく自由診療です。自由診療では患者が治療費を自費で支払うため、クリニックなどの医療機関で市場価格に基づいて料金を設定できます。
医師やクリニックにとって美容外科は経済的に魅力的な分野と言えるでしょう。実際、常勤の美容外科医の求人サイトを見ると、都心で3,000万円、地方でも2,200円とかなり高めということがわかります。(メディカルキャリアナビ調べ)
また、厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、医師の平均年収は1,378.3万円でした。一般的な平均年収と比べて高いものの、美容外科のほうが倍以上高いことがわかります。
このことから、美容外科へ転科することは高収入を得られるきっかけとなります。
美容外科の平均年収や非常勤(アルバイト)の平均給与について下記のコラムで詳しく解説しているので参考にしてください。
参照:労働政策研究・研修機構|勤務医の就労実態と意識に関する調査
上記の「医師として働くうえで疲労を感じるもの」の調査では、当直や長時間労働による疲労感を感じている方が非常に多いことがわかります。
医師の中でも外科や救急科で働く方は、緊急手術やオンコールなどで時間外労働として休日出勤することが多く、長時間勤務や不規則なシフトになりがちです。ワークライフバランスが取れないことから、転科を考える医師はとても多いと言われています。
時間外労働の時間が長くなると健康被害のリスクが高まり、過労死につながることも考えられます。
2024年4月から「医師の働き方改革」の新制度が施行されますが、「医師の人手不足が顕著になる」「適用開始までに準備がかかる」など、すでに問題点が挙げられているのが現状です。
今後「医師の働き方改革」が施行されたとしても、緊急手術やオンコール問題に関して改善策を見出していくのは難しいかもしれません。
訪問看護師のオンコールストレス問題とは?原因や待機中の過ごし方
世間では男女問わず美容への関心が高まっており、美容整形への需要も年々増えています。特に美容外科へのニーズが高い傾向にあり、患者数が多いのが特徴です。
将来的に医師がサブスペシャルティを身につけるために美容外科へ転科することで、開業や診療領域の拡大を目指すことができます。
美容外科は技術の進化が速い分野で、最新の技術や治療法について学び続ける必要がありますが、その分やりがいを感じられる職業だと言えるでしょう。
美容外科と美容皮膚科はどちらも同じ美容系クリニックですが、それぞれ診療内容が異なります。以下に2つの異なる特徴や仕事内容をご紹介します。
美容外科 | 美容皮膚科 | |
メインの施術 | 二重整形、リフトアップ、隆鼻手術など見た目を変える | シミ、ニキビ跡、シワなどの肌トラブルを改善 |
医学的な知識 | 外科技術、解剖学 | 美容学、皮膚学、専門学 |
主な治療法 | メスを使った方法(切らない場合もある) | レーザー、ピーリング、IPL(光治療) |
美容外科医は外科的な手術を施し、患者の外見を変えるのが特徴です。一方、美容皮膚科は肌トラブルの治療を中心に行います。
美容外科は外科的なアプローチを含むため、高度なスキルと経験が求められます。どちらの分野も、患者の美容と満足度を向上させるために貢献しています。
>>美容外科に転職するメリット・デメリットとは?未経験でも美容外科医になれる?
ここでは美容外科へ転科するメリットやデメリットをご紹介します。特にデメリットについては、転科を決める前にきちんと理解しておくことが必要です。
多くの美容外科では、医師に手術の成功報酬や手術数に応じたインセンティブを実施しています。これによって医師のモチベーションを高められるといったメリットがあります。
また、美容外科クリニックは営業時間が19時までのところが多く、夜勤がないのと残業が少ないのが特徴です。
休診日や定められた診療時間があるため、自分の時間を確保しやすい環境が整っており、仕事とプライベートの充実を両立させられるでしょう。
さらに美容外科医は、外科的なスキルと美容に関する専門知識を求められますが、これらのスキルと知識は、将来的に他の医療分野への転科に役立つことがあります。
美容外科医は患者とのコミュニケーションやカウンセリングが重要です。患者の悩みや希望を理解し、治療に関する説明をする能力が求められます。
特に美容外科は患者の外見を美しくするため、仕上がりに不満を持つ患者からクレームを受ける可能性があります。費用も安くはないので、シビアに考える患者が多いことも理解しなくてはなりません。
また、美容外科医は美容医療に特化しているため、未経験だと希望する転職が難しいことがあります。形成外科や内科など、他の分野での経験が求められることが多いです。
美容外科医のデメリットも考慮しながら、自身のスキル、キャリア目標をどのように設定するのかを検討しましょう。
「美容外科に興味があるけれど失敗しないか不安」「自分にあっているのか心配」など、気になる方も多いでしょう。今後のキャリアを大きく変えるため、転科するには覚悟が必要です。
ここでは美容外科の転科で失敗しないポイントとして、3つのコツをご紹介します。
美容外科医として必要なスキルを事前に習得しておくことが大切です。特に必要な資格はなく、医師免許を持っていれば美容外科医に誰でもなれます。しかし、現実には厳しいトレーニングを受けなくてはなりません。
日本美容外科学会では厳しい審査をパスした医師だけが日本美容外科学会専門医として認められる「専門医制度」を設けているため、将来的に需要のある美容外科医になるには日々スキルを研鑽することが重要です。
もちろん、その他にも接客やカウンセリングの会話術を身につける必要があります。
開業を目指している方は特に経営に関しての知識が必要になります。転科するなら、将来的に独立できるように経営についても学んでおきましょう。
そのためには、クリニックで働いてみるのもおすすめです。診療経験や患者への対応を行うことは、経営するうえで重要なノウハウなど、身を持って知ることができます。
転科を検討している場合、転職サイトを利用するのはとても良いことです。サイト上で診療科や地域、求人タイプなどに基づいて求人情報を検索することで、興味のある求人に応募できます。
さらに複数の求人に応募することが可能で、選択肢を広げられるのもメリットです。また、専門のキャリアコンサルタントが在籍している場合、サポートやアドバイスを受けられます。
仕事をしながら就職先を探したい方は、転職エージェントを活用するのも一つの手です。
美容外科へ転科すると、現在の年収よりもアップできる可能性があります。さらに残業が少なく、体力的にも負担がなくなるでしょう。
美容外科へ転科を考えているのなら、ご自身にあった職場を選んでくれる転職サイトがおすすめです。
医師転職・求人サイトのメディカルキャリアナビでは、適材適所を見極められるコンサルタントが多数在籍しています。
弊社は医療の現場を熟知しているコンサル会社なので、転職後のミスマッチが起こりません。転科する際の不安を抱えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。キャリア相談のお問い合わせはこちら
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