副業は当たり前という時代になりつつある今、高収入というイメージがある医師の中でも本業以外に収入を得ている人が増え始めています。
そこで今回は、医師の副業についてその可否やおすすめの副業、注意点などを解説します。
収入アップやキャリアアップのために副業を検討している医師の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
画像引用:株式会社医師のとも
『株式会社医師のとも』が医師の副業について20〜80代の男性医師・女性医師938人を対象に聞いたところ、「半数以上が副業をしたことがある」と回答していると発表。
副業する理由については「もっと収入を増やしたい」が圧倒的に多いことがわかりました。医者の平均年収は1,000万円以上と言われていますが、現状の収入に満足していないことが把握できます。
一方、副業していないと回答した方の理由は「副業したいけど時間がない」が多いようです。結果的に多くの医者が副業をしたいと考えていることがわかりました。
参照:【医師の副業事情について】医師938人アンケート調査/医師が副業をする理由など一挙公開!
毎日患者さまの命と向き合う医師という職業はどうしても激務になりがち。
日々の業務に追われ、なかなか休みが取れないという方も多いでしょう。
そんな忙しい医師の方には、医師免許×在宅でできる副業がおすすめです。
下記で3つの副業をご紹介します。
厚生労働省が公表しているオンライン診療の適切な実施に関する指針が2022年1月に改訂され、初診からのオンライン診療が制度化。
それにともない近頃ではオンライン診療におけるアルバイト求人が増え、医師に人気の副業となっています。
オンライン診療とは、医療機関に行かなくてもスマホ・パソコンなどの情報通信機器を利用して、自宅などで診察及び診断、処方などが受けられる診療方法です。
LINEやzoomなどの通話ツールを利用することで、医師と患者さんが離れた場所でリアルタイムで診療を行います。
オンライン診療のアルバイトは、クリニックで業務を行う場合と、自宅で業務を行う場合がありますが、やはり在宅勤務可の求人の方が人気は高め。
給与相場はおよそ10,000円程度で、求人によっては診療1件あたり何円というようにインセンティブ制を採用しているところもあります。
オンライン診療の基本的なやり方や向いている症状、実施の際の注意点などをまとめた記事がありますので、興味のある方はこちらもご覧ください。
オンライン診療のやり方を医師向けに解説。厚労省や医師会へのリンク付き
プログラミングや論文の翻訳、ビデオ編集などで副業する方法もあることを記載します。
近年、Webサイトのコラムなどでは「誰が書いているか」という書き手の信頼性や経験が重視されるようになりました。
特に医療・健康という分野は人の命に関わることからその傾向が強く、こういった理由から最近では医師による医療系記事の執筆・監修のニーズが高まっています。
料金は記事の文字数や難易度によっても異なりますが、1記事あたり30,000円〜50,000円程度が相場です。
一から記事を書くのは少し難しいかもしれませんが、監修者として記事をチェックする業務なら比較的短時間で済むため、忙しい方でも収入を得やすい副業だといえるでしょう。
プログラミングが得意な方は、医療システムを開発するなどで収入を得る方法があります。現在は医療業界でもIT化が進んでいるため、プログラミングができる医者は引く手あまたとなるはずです。
また、カルテ翻訳の求人も多くあります。病院のカルテ(診療録)は外国語や専門用語、略語など医師によって書き方がさまざまで、他の医師が見た際に読みづらいといった問題が出てきます。
そこで需要があるのはカルテ翻訳ができる医師です。料金相場は1文字35〜40円なので、一般だと1文字1円が相場であることからカルテ翻訳はかなり高いことがわかります。
さらに医師の副業としておすすめなのが、意見書作成です。意見作成書とは、後遺障害残存部位、病態、因果関係、画像所見などの争点をまとめる仕事です。
この意見作成書で各専門医が医学論文や医学書などを引用しながら深掘りし、医学的に意見を述べられるので、とてもやりがいのある仕事と言っても過言ではありません。
意見作成書の相場は案件によって異なりますが、約80,000円[1] と言われています。 参照:ホワイトメディカルコンサルティング
在宅勤務のようにリモートワークというわけにはいかなくとも、医師免許を活かした仕事は高収入が期待できます。
そこで次は、医師免許や医療知識を活かして収入が得られる副業3つご紹介していきます。
定期非常勤とは、「毎週木曜日の午前診」や「隔週での月曜当直」など、週1日〜2日の決まった日に勤務する働き方のことです。
定期アルバイトなど、定期という言葉がつく求人は基本的に全て定期非常勤のことを指し、他にも単に非常勤、固定勤務などと呼ばれることもあります。
基本的には通常の診察業務を担当するため、医師免許や自身の医療知識を活かして働くことが可能です。
また、さまざまな病院で症例や診察などを経験することは自身のスキルアップにもつながります。
定期非常勤で働く場合の時給は、地域や診療科目などによっても異なりますが1万円前後が相場です。
下記で非常勤医師のメリットやデメリットなどを詳しくご紹介しているので、ぜひご覧ください。
非常勤医師として働くメリット・デメリットとは?常勤医師との違いも解説
スポットとは、「◯月△日の外来」「△月◯日の健診」など特定の日付に勤務する働き方のことです。
数時間〜1日単位の勤務で、求人では単発アルバイトや単発、代診などと表現されることもあります。
業務内容や報酬は定期非常勤と同様で、当直や代診などを担当して時給1万円前後という内容になっています。
安定して収入を得たいなら定期非常勤、休日や空き時間をうまく活用したいならスポットなど自分に合った働き方を選択すると良いでしょう。
スポット勤務について、さらに詳しく知りたい方はぜひ下記のコラムをチェックしてみてください。
>>未経験OKの医師向けAGAバイトとは?仕事内容と人気の理由を紹介
>>美容皮膚科のアルバイトは何をする?仕事内容や収入、働く注意点を解説
>>【医師向け】脱毛バイトがいま狙い目?未経験でもできる人気のアルバイトを紹介
特定の分野についてある程度の経験や実績があれば、医療系セミナーの講師をするのもおすすめです。
つながりのある企業や製薬会社から依頼に応じて講師を務めるのが一般的ですが、自身でセミナーを企画するという方法もあります。
案件によって異なりますが、医師への謝礼は一度の講演で10〜20万円が相場です。
講演の時間が2時間だとすると、時給換算して5万〜10万円といったところでしょう。
ただし、論文や書籍を発表していて知名度がある、今注目されている分野の研究を行っているなどの場合は謝礼も高額になるケースが多いです。
忙しくてなかなかまとまった時間が取れないという方は、医師免許と関係なく在宅で取り組める副業もおすすめです。
パソコンやスマホ一つでできる副業であれば、在宅や移動中のスキマ時間を利用して収入を得ることができます。
以下で2つの副業をご紹介します。
Youtubeや医療ブログの開設など広告収入を扱う副業なら、本業が忙しくてもスキマ時間をぬって活動することが可能です。
初めはなかなか芽が出ず苦労するかもしれませんが、一度軌道に乗ってしまえば寝ている間にも収益が発生します。
とくに最近では、医療に関する知識をより多くの人に広めたいという理由からSNSで情報を発信したり、医療系Youtuberとして活動する現役医師の方が増えてきています。
法律上では副業に該当しませんが、収入源を増やすという意味では資産運用もおすすめの手段の一つです。
不動産や株式、金融商品などの投資を行うことは効率よく資産を増やせるだけでなく、節税対策にもつながります。
なかなか時間は取れないけどまとまった収入はある…という医師の方にぴったりの方法だといえるでしょう。
医師が副業することで得られるメリットはたくさんあります。以下に5つのメリットをまとめたのでぜひ参考にしてください。
副業することで、普段経験のできない分野に挑戦できます。医療監修やライターやカルテ翻訳など、勤務医として働いていたら得られない体験ができます。
さらに医師免許を活かして、オンライン診療のツールや医療用アプリなどの開発に携わることで、プログラミングもできる医師として重宝がられるはず。
新しいジャンルに挑戦することで新たに学ぶ機会が多くなり、医師として必要な知識やスキルアップにつながります。
病院は多くの人が関わっている組織ですが、入ってみると同じエリア内で異動したりいつも同じ人と仕事したりと、意外に狭い世界です。
しかし、副業によってこれまで出会わなかったタイプの人とのコミュニティが広がる可能性があります。毎日淡々とした日常が一気に刺激のある生活になり、メリハリが生まれます。
自分と考えが違う人とたくさん出会うことで、狭い視野の中から抜け出すことができるのもメリットでしょう。
医師免許を持っていれば高収入が期待できる求人が多数あり、選択肢も広がります。仕事内容によって給与は異なりますが、スポット勤務する場合の相場は時給に換算すると約10,000円です。
東京都内でのバイト、パート、派遣の平均時給は1,440 円となっています。そう考えると時給10,000円を稼ぐことができる医師は、積極的に副業をしたくなる気持ちもわかります。
実際に副業している人としていない人の年収は、年間400万円ほどの差があるといったデータもあるほどです。
将来的に独立を考えているなら、副業することによってコミュニティやビジネススキルが身につき、起業する際に役立ちます。
独立するといっても簡単にはいきませんが、副業で医療関連サービスを提供するアプリなどの開発に携わっていれば、起業できるチャンスはいくらでもあります。
自分が運営するのは苦手という方でも、共同経営者としてチームを組めば運営することも可能です。
また、医師の場合は将来的に開業する選択肢もでき、今後の人生を大きく変えられるでしょう。
医療と全く関係のない仕事を副業にすることで、気分転換ができます。医師の中には心のゆとりを保つために医療と異なる仕事をしてみたいと思っている方も多いようです。
自分の好きなことを活かせる副業であれば、積極的に行っても良いのではないでしょうか。
医師が副業することで得られるメリットは多数ありますが、デメリットについてもきちんと理解しておく必要があります。ここでは以下のデメリットについて解説します。
本業の空いた時間に副業をすることになるため、少なからず体力が消耗します。さらに初めて挑戦する内容であれば、精神的にも負担がかかる可能性も否めません。
副業に力を入れすぎて本業に影響を与えてしまったとなると年収にも響き、本末転倒になり注意する必要があります。
特に臨床現場では冷静で正しい判断が必要ですが、疲れや寝不足によって集中できなくなる可能性も考えられます。
副業するならこれらのポイントに気をつけて、無理のない範囲で行うことが重要です。
副業すると当然プライベートの時間がなくなります。休日にゆっくり過ごすことでリラックスができ明日への活力になるのですが、副業することでその時間がなくなります。
また、友達や家族、恋人と過ごす時間が少なくなり、精神的に辛い状況になるかもしれません。休日に副業を詰め込むのではなく、最初は様子をみながら少しずつ始めるのがおすすめです。
今の時代、副業で副収入を得ることは決して珍しいことではありません。
しかし、医師の方が副業を始めようとする場合は以下の点に注意が必要です。
法律上、医師の副業は禁止されていませんが、勤務先によっては就業規則に副業を禁止する規定がある場合もあります。
許可なく他の業務に従事した場合、職務規定違反となって始末書の提出や減給、懲戒免職などの処分が下る可能性があるため、副業を検討している場合は勤務先に許可を取ってから始めるようにしましょう。
初期研修医と公立病院に勤務している医師は、法律によって副業を禁止されているため注意が必要です。
初期研修医は、医師法で「臨床研修だけに集中して知識や技術の向上に努めなければならない」という努力義務が課せられているため、副業・アルバイトが禁止されています。
また、公立病院勤務など公務員として働く医師も、公務員法によって「信用失墜行為の禁止」「守秘義務」「職務専念の義務」といった3つの観点から副業・アルバイトが禁止となっています。
医師に限ったことではありませんが、副業収入が一定額を超えた場合は確定申告が必要になります。
副業をしている方で確定申告が必要となるのは、主に以下のようなケースです。
副業所得が20万円を超えているにもかかわらず確定申告をしなかった場合、無申告加算税や延滞税などのペナルティが発生するおそれがあります。
上述したように医師の副業で得られる収入は高額になりやすいです。副業のほうが順調に進み、将来の生計が立てられそうなら個人事業主として開業や法人を設立することで節税対策ができます。
特に個人事業主で開業すれば事業所得として計上できるケースもあるため、青色申告特別控除が受けられます。
また、ある程度の収入の見込みが立った法人を設立することで、所得税率が低くなり納税額を軽減することも可能です。
2024年4月から、医師の働き方改革の新制度が施行されます。今後医師が副業することに対して制限がかかることもあるので、事前に理解しておきましょう。
医師の働き方改革とは、医師の長時間労働の改善をメインに施行される法改正のことです。さらに医療機関における健康確保の措置を行い、良質な医療現場を目指すことを目的としています。
これまでは医師の勤務形態が特殊だということを考慮し、ある程度時間外労働に対して猶予されていました。しかし、2024年4月には医師にも時間外労働の上限規制が適用されます。
医師の働き方改革について詳しく知りたい方は、下記のコラムを参考にしてください。
時間外労働の上限は、月45時間、年360時間を原則としています。医師の場合は特別な事情が多いため、年720時間、休日労働を含む単月100時間未満、複数月平均80時間が限度です。
医師の働き方改革による変更 | |
2024年3月31日まで | 2024年4月1より |
上限規制は適用されない | ・特別条項付き36協定を締結する場合、年間の時間外、休日労働の上限が最大1,860時間 ・「間外労働と休日労働は2~6ヶ月平均80時間以内とする規則」は適用されない ・一般的な上限時間は年960時間/月100時間未満(例外あり) |
このことから、副業を禁止する病院が出てくる可能性があり、収入が減少することも考えられます。収入を増やしたいなら、今よりも給与や条件の良いところに転職することも視野に入れておくのが良いかもしれません。
法律では原則として、医師の副業は禁止されていません。
このため多忙な医師でも、医師免許が活かせる仕事や在宅ワークを副業とすれば効率よく収入を増やすことが可能です。
また、今の仕事でなかなか年収が上がらないのであれば、転職するというのも一つの手段です。
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