昨今、老若男女問わずうつ病が増えてきているのはご存知でしょうか?
特にコロナ流行後の現在においては、度重なる緊急事態宣言により外出自粛を強いられることで、外に出る機会や人と会う機会が減り、ストレス耐性が低下することで男女関係なくうつ病が増えてきてますね。
今回は、そんなうつ病の特徴やメンタルクリニックでの治療を紹介していきます。
そもそもうつ病とは、具体的にはどういった症状なのか簡単に説明していくと、気持ちの面で「何をしても楽しめない・仕事に集中できない・人と話すのが辛い・自分を卑下する」などの特徴があります。
参考:厚生労働省 患者調査(平成29年度)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/index.html
そして、上の図からも分かるように女性の方が、男性と比較して約2倍うつ病で悩んでいることが分かってきます。
ここまで多い理由としては、近年の晩婚化に伴う女性ホルモンの影響や月経前症候群(PMS)・月経前不快気分障害(PMDD)・出産・更年期障害などの身体的問題により、不安やイライラ、落ち込みが起こりやすい傾向にあるからだと思われます。
このように女性のうつ病が多いのは、上記に加えて4つの要因が関係していると考えられています。
近親者の死別・失恋・離婚・子どもの独立・失業・災害
職場でのパワハラ、セクハラ、トラブル・夫婦の不和・近隣トラブル・育児ストレス
引っ越し・結婚・出産・進学・転職・昇進・配置転換・長時間労働
ガン・脳卒中・女性特有の病気(更年期障害/PMS・月経前症候群/PMDD)・女性ホルモンの変化
女性ならではのうつ病の原因としては、上記の中でも特に結婚・出産・育児などのようにライフサイクルにおいて発生する要因と女性ならではの病気による要因が多いことが考えられるでしょう。
特に女性のうつ病は、男性に比べてパニック障害などの不安障害を併発することが多く、軽くテンションが上がったり落ち込んだりを繰り返す躁うつ(双極性障害2型)の症状が出やすくなっています。
うつ病と判断された患者さんにおいて、ストレスの感じ方は一人ひとり異なるため、まずは患者さんの抱える悩みを整理し、対人関係の悩みや葛藤などにフォーカスを当てて考えていきます。その中で、女性のうつ病は、パニック障害などの不安障害や双極性障害を併発している場合が多いため、それぞれの治療と組み合わせて行っていくことが大事です。
主な治療法としては、下記の3つの治療が行われています。
女性のうつ病は、通常のうつ病に加えて不安障害や双極性障害、不眠症、女性ホルモンの影響など多種多様な症状が現れるため、治療法も一つに絞ることが難しいです。そのため、患者様ごとに必要な薬の種類や投薬量が大きく異なり、適切な判断をして薬物療法を行います。加えて、女性ホルモン(生理)の周期に合わせた薬の調整が必要です。
目標とする健康的な暮らしを考え、抗うつ薬の投薬量や、他の抗うつ薬への変薬、増強療法などを段階的に行うなど、医学的根拠に基づいた薬物療法によって早期の症状改善を目指しつつ、維持療法を継続することによる再発防止が行われます。
女性のうつ病に限らず、うつ病を患っている方は、まるで心のカーテンを閉めて歩いているかのようにすべての物事が暗く見えており、「自分はダメだ」「他の人に迷惑を掛けるくらいなら付き合わない方がいい」「この先良い事なんて起きるはずない」などとすべてを悲観的に考えてしまいます。
そして、女性のうつ病の場合は、対人関係(特に家族や身近な人などの近親者)の悩みや葛藤への対処が解決への糸口になることが多く、対人関係療法的なアプローチやコミョニケーションスキル向上も視野に入れて治療を行います。
認知行動療法では、「3つのC(認知・コミュニケーション・コントロール)」をもとに、治療教育(病気を知ること)や認知再構成法などを行う「認知的技法」、自己の行動観察や対人関係の改善などを行う「行動的技法」を用いて、柔軟な考え方や問題解決力などを習得します。これにより、物事の受け取り方や見方を変えていくことで、「薬や他人に頼らなくても自分の力でできるんだ」という自己効力感を養っていきます。
対人関係療法とは、「重要な他者(自分に関わりのある人)」との関係を見つめ直し、その対処法を見つけていく戦略的な心理療法です。特に、重要な他者との対人関係の問題を取り上げて、感情を大事にしながら分析し、対処法を考えて実際に行っていきます。
TMS(Transcranial Magnetic Stimulation:経頭蓋磁気刺激法)は、うつに大きく関わる背外側前頭前野を含む前頭葉(脳の前方に位置する部分)を「磁気刺激」を用いてケアする治療法です。
磁気により身体を傷つけることなく脳細胞を刺激することで脳の治療ができる副作用の少ない新しい治療法として注目されていますね。
本来は、脳神経内科領域の検査やリハビリテーションの治療などにも使用されていた機器であり、2000年頃から急速に精神疾患にも使用されることとなりました。
主な効果としては、
が挙げられます。一般的には、TMS治療によって5回~10回で効果が出始めるので、薬物療法が2~4週間かかるのに比べると速効性は高い治療と言えます。ただ、2019年に日本で保険適用が開始されたばかりの新しい治療法ですので、行っているクリニックが東京・大阪などの大都市に限定され、地方では受けづらい事情があります。そのため、今後に期待したい治療法といえるでしょう。
今後、うつ病患者は男女共に増加傾向にあり、その中で従来の薬物療法や精神療法だけでなく、「TMS治療」といった新しい治療の需要は高まると考えられますね。メディカルキャリナビでは、これらの治療を行っているメンタルクリニックを掲載していますので、ぜひご覧下さい。
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