一般的には年収が高い職業と言われている医者ですが、経営形態によって差があります。経営形態ごとの平均年収を知らないと、思うように稼ぐことができず後悔してしまう可能性も。
この記事では医者の中でも、「大学病院勤務の場合」にフォーカスをあて、平均年収や年収UPの方法を解説していきます。大学病院の医者としてお勤めの方、あるいはこれから大学病院の医者に転職したいと考えている方は、ぜひご覧ください。
職種選びについて、詳しくは以下のコラムをご覧ください。
>>医師の職場選びについて【大学病院・病院・診療所・介護施設等】
独立行政法人労働政策研究・研修機構が実施した調査によると、大学病院で働く医者の平均年収は739万5,000円とされています。
また、年収金額は300〜1,500万円の範囲内がほとんどであることが分かります。
主たる勤務先の年収 | ||||||
300万円未満 | 300〜500万円未満 | 500〜700万円未満 | 700〜1,000万円未満 | 1000〜1,500万円未満 | 1500〜2,000万円未満 | 2,000万円以上 |
4.8% | 15.2% | 20.8% | 36.4% | 21.2% | 1.7% | 0.0% |
参考:勤務医の就労実態と意識に関する調査(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)
では、大学病院の医者の年収は高いのでしょうか?
同じく独立行政法人労働政策研究・研修機構が実施した調査では、経営形態別の平均年収がまとめられているので見てみましょう。
経営形態 | 平均年収 |
医療法人 | 1443万8,000円 |
個人 | 1414万円 |
公的 | 1353万4,000円 |
公立 | 1347万1,000円 |
社会保険関係団体 | 1280万7,000円 |
国立 | 882万4,000円 |
学校法人 | 739万5,000円 |
その他の法人 | 1406万4,000円 |
参考:勤務医の就労実態と意識に関する調査(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)
上の表からは、大学病院(学校法人)の平均年収がもっとも低いことが分かります。
また、先ほど「主たる勤務先の年収」の表をもう一度ご覧いただくと、大学病院で年収2,000万円以上をもらっている医者が、調査の範囲内では存在しないことが分かります。
しかし、他の経営形態では割合の差があれど、2,000万円以上の年収をもらっている医者が存在します。このことからも、大学病院の医者は他の経営形態の医者に比べて年収が低いと言えるでしょう。
では、なぜ医者の中でも大学病院勤務だと、年収が低い傾向にあるのでしょうか?
理由は以下の通りです。
国公立病院や私立病院など、一般的な病院は診療による利益の追求を目的としています。つまり「営利目的」の側面があるということです。
一方で大学病院は研究・医師の育成を目的とした施設(医療機関)です。利益の追求を目的としていないことから、人件費の予算が低く設定されています。
人件費が少なければ、そこで働く医者やスタッフに給料として分配される金額も減るため、年収が低い傾向にあるというわけです。
人件費の予算が少ないにもかかわらず医者の数が多いことも、大学病院勤務の医者の平均年収が低い原因となっています。
大学病院は勤務する医師の母数がとても多いです。医療介護情報局が提供している「全国の病院の常勤医師数ランキング」を見ても、上位40位までを大学病院(大学付属病院)が占めています。
予算と医者の数が見合っていないことから、医者1人ひとりの給料が安く、年収も低くなってしまうのです。
他の病院に比べて年功序列の風潮が強いため、中堅医師の給料が低く抑えられていることも、年収が上がりにくい原因の1つです。
資格を取得したり、実績を上げたりしても大幅な昇給を狙うことは難しく、年収も上げにくいでしょう。
働く上で給料や年収は、仕事に対するモチベーションを高めるために大切です。それは医者も変わりません。
では、大学病院勤務の医者が年収UPを目指すには、どのような方法があるでしょうか?
以下を参考に年収UPを目指してみてください。
医者の平均年収は診療科によって差があります。
2012年に独立行政法人労働政策研究・研修機構から公開されたデータによると、平均年収がもっとも高いのは脳神経外科、次いで産科・婦人科、外科…と続きます。
参考までに、平均年収の金額差も見てみましょう。もっとも年収が低い眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科と、もっとも年収が高い脳神経外科を比較してみると、なんと約400万円の開きがあります。
参考:勤務医の就労実態と意識に関する調査(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)
年収UPを目指す方は、今、自身が勤務している診療科を踏まえ、より平均年収が高い診療科への転科を検討してみてはいかがでしょうか?
医師転職・求人サイトのメディカルキャリアナビならば、診療科目から医者の求人情報を検索できます。
>>美容クリニックで働くための資格とは?美容外科と美容皮膚科の違いや仕事内容、学会についても解説
>>美容外科医の平均年収はなぜ高い?他科と収入の比較や業界トレンド、美容外科への転科方法も解説
年功序列の風潮が強い大学病院ですが、役職がつけば年収が上がることがあります。
長く同じ大学病院で働く意気込みでいるのなら、教授や准教授、講師などの役職を目指してみるのも年収を上げる方法の1つです。
役職は教授>准教授>講師の順に序列が高くなります。
地方は都心に比べて医者の数が少なく需要があることから、平均年収も高く設定されているケースが多いです。
独身の方や単身赴任が可能な方、家族で引っ越しができる方などは、あえて過疎地域への転職・異動をすることで、年収UPが期待できます。
単純に、今よりも待遇の良い大学病院へ転職することでも年収UPを狙えます。
ただし、前述の通り大学病院は年功序列の風潮が強いため、同じ病院に長く勤めている方ほど、より待遇の良い大学病院を見つけるのは難しいでしょう。
1人での転職先探しに限界を感じたら、メディカルキャリアナビへご相談ください。医療現場を熟知したキャリアコンサルタントが、公開求人はもちろん非公開求人も含めた豊富な求人情報の中から、あなたに合った転職先をご紹介します。
年収アップについて、詳しくは以下のコラムをご覧ください。
この記事では、大学病院勤務の医者の平均年収や年収UPの方法を解説しました。
大学病院勤務の医者は、その他の経営形態の医者に比べて年収が低い傾向にあります。人件費の予算が少ないこと、一方で医者の数は多いことなどが理由です。年功序列の風潮が残っていることも、年収が上がりにくい一因となっています。
大学病院勤務を続けながら年収を上げるには、以下のような方法があります。
・より年収の高い診療科へ転科する
・教授、准教授、講師などの役職を目指す
・過疎地域で働く
・より年収が高い大学病院へ転職する
ご自身に合った方法での年収UPを目指しましょう。
転科・転職、勤務地の変更による年収UPをご希望の場合は、ぜひメディカルキャリアナビをご利用ください。豊富な求人情報の中から、あなたの希望にマッチする転職先が見つかります。
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