今年2022年4月、不妊治療が保険の適用対象にされたのは、記憶に新しいのでご存じの方も多いでしょう。今までは、不妊の原因を明確にするための検査や診察だけが保険適用でしたが、今回より人工授精や体外受精、顕微授精など効果が出やすい治療法でも適用されますね。今後、不妊治療に対しての経済的負担や出産に対して前向きに考える方が増えることからも、不妊治療専門クリニック(ARTクリニック)が増えていくことが予想されます。
今回は、不妊治療専門クリニックの現状や今後の動向を紹介していきます。
上のデータからも分かるように、2019年に総出生児数は86.52万人で、そのうち体外受精・顕微授精で生まれた子は6万598人で、過去最多を更新しました。年々、総出生児数は減少しており、数年の内に80万人を切ると言われています。ですが、体外受精での出生率は上昇しており、近年では14人に1人が体外受精で生まれていることから、生殖医療技術が発展を遂げてきたことは言うまでもありません。
そして、体外受精と顕微授精の総治療数も45万8101周期と、こちらも過去最多を更新しています。
なお、「周期」についてはあまり聞き覚えがないと思いますが、治療を行った月経周期(約28日間)の数を指します。不妊治療に関しては、1人の女性が年間に何回治療を行うかは決まっていないため、人数でカウントすることが難しく、生殖医療の分野ではこの単位が使われています。
不妊治療について簡単に説明すると、妊娠・出産を希望しているにも関わらず一定期間(1年間)、妊娠の兆候がないカップルに対して行われる治療のことを一般的に指しますね。原因は必ずしも女性側だけにあるわけではなく、男性側にも存在する割合も少なくありません。不妊治療の方法として、大きく分けて3つの治療がございます。
女性の排卵障害がある場合や、黄体機能不全により着床障害が起こっていると考えられる場合などに行われます。 排卵誘発剤による治療が中心で、その他に飲み薬と注射薬があります。しかし、副作用で卵巣過剰刺激症候群 (OHSS)を起こしたり、多胎妊娠の可能性が高くなるなど、デメリットもあるので注意が必要です。
子宮内に直接精子を送り込むことで、精子が卵と出会える確率を高めて自然妊娠を目指す治療です。人工授精と聞くと、人工的なイメージがあるかもしれませんが、排卵の時期に合わせて事前に採取していた精液を子宮内に直接注入するので、不妊治療の中では自然妊娠に一番近い方法と呼ばれています。
体外に女性の卵子を取り出しパートナーの精子と一緒にして受精させ、その受精卵を子宮に戻して着床を促す治療です。そして、体外受精の方法の1つである顕微授精は、細いガラス針の先端に1個の精子を入れて、顕微鏡で確認しながら卵子に直接注入する方法になります。通常の体外受精では、取り出した卵子に多数の精子を振りかけて自然に授精を促すやり方でした。しかし、顕微授精では一つの精子を顕微鏡で確認しながら卵子に注入するため、今まで改善が難しいと言われていた男性不妊症の改善を可能にしました。
始めにもお伝えしましたが、現在日本は不妊治療の総治療数が45万8101周期と世界でも米国に次いで二番目に高い数字になっていて、普段生活していく中で耳にする機会は増える事でしょう。しかし、1回の治療に対する妊娠率は約10%と非常に低く、不妊治療が活発な米国が約40%と比較してみると差が大きいと言えます。その理由として、日本では晩婚化が進んでいるため、40歳以上の患者が半数以上を占めている事が原因だと考えられます。ただ、問題の根底にあるのは、不妊治療の専門医の不足、不妊治療の重要性を発信出来ていないことで起きる情報不足によるものでありますので、まずはこの部分を改善する必要があります。
今後、不妊治療の保険適用開始が始まったことにより、今まで以上に不妊治療を認知し通院される方は増える事でしょう。その中で、不妊治療専門クリニックは年々増加傾向にあり、これからも増えていくと考えられます。メディカルキャリアナビでも、不妊治療専門クリニックの求人がございますので、ぜひご覧ください。
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