フリーランス医師と常勤医師の違いとは?メリット・デメリット、年収について

これまでに培われた経験や技術を活かし、フリーランスとして活躍する医師が近年増えてきています。長時間の拘束・労働が課題とされている医師にとって、注目の新しい選択肢です。

この記事では、フリーランス医師と常勤医師との違いは何か、フリーランス医師として働くメリットやデメリットは何か、年収はどのくらいなのかなど、気になる点について解説していきます。

フリーランス医師として活躍したいと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。

フリーランス医師とは?

医師といえば開業医か勤務医として働く人がほとんどです。

しかし、フリーランス医師は特定の医療機関に所属せず、複数の医療機関と契約して非常勤で働く医師のことを指します。

フリーランス医師は、医師免許と医療技術・専門性を生かして仕事の内容や時間を選ぶことができます。しかし、自らが個人事業主になるので社会保険や確定申告も自分で行う必要があります。

フリーランス医師と常勤医師の違い


フリーランス医師と常勤医師の大きな違いは、前述したように、雇用形態です。

常勤医師は、特定の病院と雇用契約を結び、一般的には週4日以上勤務します。その中で当直があったり、緊急事態に備えたオンコール待機があったりもします。時間外労働、長時間労働をせざるを得ない状況になりやすいのも、常勤医師の現状です。

対してフリーランス医師は、複数の病院とのアルバイト契約を結びます。勤務のスケジュールは契約によって比較的自由に決めることができ、希望すれば当直やオンコールなしで働くことも可能です。常勤医師と比べると、時間外労働は少ないでしょう。

このように、フリーランス医師と常勤医師では働き方に違いが出てきます。

フリーランス医師の働き方

フリーランス医師の働き方について、もう少し詳しく見ていきましょう。

フリーランス医師には
・定期非常勤
・スポットバイト
の2種類があります。

定期非常勤の働き方

定期非常勤は、比較的長い契約期間(半年から1年単位)で、週2~3日や1日3~5時間など、曜日や時間をある程度決めて働く非常勤の勤務形態です。子育てや介護など自分の都合に合わせて勤務時間をあらかじめ調整することで、フリーランスの中でも比較的安定した働くことができます。
医師としての専門性を高めるために、専門の医療機関や大学病院で経験を積んだり、逆に大学病院で高い専門性を持っている医師が開業前に地域診療のクリニックで経験を積んだり、定期非常勤であることで都合が良い場合が多いです。
医療機関側からも、高い専門性を持つ医師こそ定期非常勤で週1日~数回、専門外来や患者相談会などを目的に確保出来るので、医師と医療機関の双方にメリットがあります。

スポットバイトの働き方

スポットバイトは、短時間や一日・数日単位のアルバイト勤務です。地域の健康診断や学会出席、病気などの理由で、常勤医師が不在の時に外来や当直業務を行います。

定期非常勤とスポットバイトを組み合わせた働き方

スポットバイトは、一般的に定期非常勤より高時給の仕事が多いのです。一方で、常に希望の仕事を年間を通して確保出来るとは限りません。
そのため、安定した勤務と収入を得るため、希望の働き方や診療科の仕事を定期非常勤で確保しておくと安心です。

フリーランス医師として働くメリット

フリーランス医師として働くメリットとして挙げられるのは、

・症例数・手術数を経験できる環境でスキルアップを目指せる
・子育てや介護などで家庭を優先出来る
・さまざまな勤務先を経験出来るため、人脈を広げられる
・組織への責任や人間関係のトラブルから解放される

といった点です。

症例数・手術数を経験できる環境でスキルアップを目指せる


常勤医師だと、ほとんどの場合が一つの科に所属し、その科に特化した診察や手術を担当することになります。

複数の医療機関と契約していることで、数多く幅広い症例に携わることができます。これにより、医師としてのスキルアップを目指せるのはフリーランス医師のメリットでしょう。

ただし、入念な検査や会議、術後のアフターフォローが必須である外科医はフリーランス医師としてのハードルが高いことも頭に入れておきましょう。産科医や麻酔科医、内科医が比較的フリーランス医師の需要が高いと言われています。

子育てや介護などで家庭を優先できる

勤務スケジュールの融通が効きやすいフリーランス医師では、子育てや介護などの理由で家庭を優先したい場合に有利になります。

常勤医師の場合、勤務先の雇用契約に従わなければならず、大切なときや緊急で休みを取ることができないこともしばしば。

フリーランスの場合はある程度融通が効くため、ライフワークバランスも取りやすいでしょう。

医師のワークライフバランスについては、以下の記事も参考にご覧ください。
医師がワークライフバランスを保つには|現状や課題、できることは

さまざまな勤務先を経験出来るため、人脈を広げられる


フリーランス医師としてさまざまな勤務先を経験することで、常勤医師として一つの医療機関で働くよりも圧倒的に人脈が広がっていきます。

繋がった人脈によって他の仕事に繋がることがあったり、開業を目指している場合はその人脈が有利に働いたりすることもあります。

組織への責任や人間関係のトラブルから解放される


常勤医師として働くとどうしてもついてくるのが、組織としての責任や、上司・部下・同僚などとの人間関係のトラブルです。

トラブルがあってもすぐに辞められるような立場ではなく、責任の重圧や人間関係のストレスと向き合っていかなければならないことがほとんどでしょう。

その点フリーランス医師では、役職としての責任はほぼないに等しく、ただ自分が担当する症例に対して向き合うのみ。人間関係のストレスも、比較的少ないでしょう。

フリーランス医師として働くデメリット

フリーランス医師として働くのは、メリットばかりではなくデメリットもあることを理解しておく必要があります。

考えられるデメリットとしては、
・雇用・収入が安定しない
・環境変化に適応しないといけない
・専門医の資格が取りづらい
・会計管理や確定申告等、医療業務以外も行わなければいけない
などがあります。

雇用・収入が安定しない


常勤医師は雇用契約を結ぶ時点で月収が決まっているため、収入が安定します。また、福利厚生なども充実しています。

対してフリーランス医師はアルバイト契約となるため、収入は働いた分だけ。勤務先の都合で勤務を減らされたり、契約が終了したりすることもあります。何らかの理由で現場に出られなくなった際の収入の保証もありません。

また、保険料や交通費などの社会保障が手薄い点も雇用が安定していないことでのデメリットと考えらます。

環境変化に適応しないといけない

医療機関によって、設備や医療体制が異なります。

いくつもの医療機関をかけ持って働いていく中で、環境の変化に適応できる能力がないとフリーランス医師としてやっていくのは大変かもしれません。

スキルアップのための援助がない


常勤医師の場合、医師がスキルアップするためのサポート体制が整っているため、学会や勉強会の参加費や交通費などの金銭的な援助が積極的です。

フリーランスの場合は、医師としてのスキルアップは個人に任せられるため、金銭的な援助がないのがデメリットと捉えられるでしょう。参加できる学会や勉強会の情報も自分で見つけなければなりません。

会計管理や確定申告等、医療業務以外も行わなければいけない


記事の前半でも述べましたが、フリーランス医師の場合、税金や保険料、年金などは全て自分で支払う必要があります。

確定申告などの事務作業も増え、負担になってしまうでしょう。

フリーランス医師と常勤医師の年収比較


ここで、フリーランス医師として働いたときと、常勤医師として働いたときの年収を比較してみましょう。

厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、令和3年の常勤医師の平均年収は、1,378.3万円となっています。

対してフリーランス医師の年収は、時給1万円で1日8時間、週5日働いた場合、1,920万円となりました。

常勤医師とほぼ同じ勤務スケジュールで働いた場合、フリーランス医師の方が約550万円ほど年収が高くなることがわかります。

勤務日数を週4日にする、1日の勤務時間を5時間にするなどしても、常勤医師と同程度の収入は見込めるでしょう。

ただし、ここから学会の費用や交通費、保険料や税金が差し引かれることを考えると、手取りはもう少し減ります。

また、常勤医師が空き時間で非常勤の医師として週1〜2日アルバイトをしているケースもあり、その場合は常勤医師の年収がぐっとアップします。

まとめ・フリーランス医師として活躍するには?

ここまで、フリーランス医師の働き方やメリットデメリット、平均年収について紹介してきました。

では実際に、フリーランス医師として活躍するにはどうすればいいのでしょうか?

フリーランス医師として働くために求められるのは、「目に見えるスキル」です。わかりやすいところでいうと、専門医の資格を持っているとフリーランス医師として有利になります。

専門医の資格は、医師であればほとんどの人が取得を目指します。取得していないことに正当な理由がない場合、あまり良い印象を与えないことが多いでしょう。

専門医の資格を取得するには費用がかかったり、資格の更新や学会の参加で仕事を休まなければならなかったりと少々大変な点はありますが、この先フリーランス医師として活躍していきたいのであれば、専門医の資格は取っておくのがベターです。

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