「医師免許」は非常に強い資格であり、まただれもが知る高年収の職業でもあります。しかし実際に医師として働いている人たちのなかには、少なからず「転職」を意識している人もいます。
ここでは「医師の転職理由」に焦点をあてて、ほかの医師がどのような理由で転職を考えているかを見ていきましょう。
医師の転職理由は人により様々ですが、ほとんどの方は以下のような理由で転職を考えます。
①ワークライフバランスが取りにくい
②人間関係で疲弊した
③年収をアップしたい
④スキルアップしたい
⑤開業医になりたい
⑥やりたいことができない
⑦結婚や育児など家庭の事情
⑧セカンドキャリアを見つけたい
⑨転科したい
⑩企業へ転職したい
⑪将来性が不安
⑫資格を取得したい
⑬能力を活かせない
⑭健康上の理由
⑮引っ越しする
1つずつ詳細を解説していきます。
「医師の転職理由」を考えるとき、必ず挙げられるのが「ワークライフバランスの取りにくさ」です。
体調不良は、あらかじめ予見できるものばかりではありません。特に忙しいとされている婦人科医の場合、「今まで順調だった患者様が、臨月になって突然変調した」「難しいお産になった」という経験をしたことのある人も多くいます。また、「突然家族が倒れたので見て欲しい」などのように、急患が飛び込んでくることもあります。
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で仕事が増えた人も多くいることと思われます。
医師の仕事に、「待った」はありません。迅速に対応しなければ患者様が文字通り命を落とすこともありえます。医師は、患者様にとっては最後の砦といえる存在です。
ただその分、医師はプライベートの時間がどうしても圧迫されがちです。休暇中でも呼び出しがあることもありますし、長い残業をこなさなければならないこともあるでしょう。ある統計によれば、「過去1か月で、時間外労働が0だった医師の割合はおおよそ1割程度にすぎない」という結果も出ています。また、時間外労働時間が80時間以上になっている人も、全体の8パーセント程度います。
「今の職場ではワークライフバランスを取りにくい」「常に家族に負担をかけてしまう」ということで、転職を希望する人もいます。また、女性で妊娠~出産をする人は、どうしても「休まなければならない期間」ができます。このため、この機会で転職を考える人も多くいます。
医師に限ったことではありませんが、「人間関係」につかれて転職を考える人は多いものです。「上司との折り合いが悪い」「患者様と病院の間でトラブルが起きることがたびたびある」「同僚との仲がこじれてしまい、修復しがたい」などのような経験は、だれでも一度は味わったことがあるのではないでしょうか。
人間関係で起きる摩擦は、「自分だけで解決できる問題」ではありません。相手のあることですから、相手との意思の疎通が図れない場合、なかなか解決できないのです。
「関係回復に取り組んだが、疲れた」「関係回復に取り組むだけの気力がない」として、新天地を求める人も多くいます。
データによって多少異なりますが、医師の年収は高水準であり、おおむね1300万円~1600万円程度とされています。ただ、「収入」は仕事における非常に大きなモチベーションとなりうる要素ですから、「もっと年収アップをしたい!」と考える人も多いのではないでしょうか。
医師は基本的には経験年数が上がっていけば給料も上がっていくものですが、より年収アップが見込める職場に入るのもひとつの手です。もちろんすべてとはいえませんが、基本的には公的機関よりも私的機関の方が給料は高い傾向にありますし、産婦人科や脳神経外科などのように高収入を獲得しやすい科もあります。
そのため、勤め先の変更や、転科することを視野に入れて、転職を考える人も多くいます。
「今の職場に不満はないが、さらにスキルアップしたい」「最先端の医療機器に触れたい」「専門医になるために勉強をしたい」という前向きな理由で、転職を考える人もいます。またこの「スキルアップ」は医師としての技術力アップだけではなく、「将来的に開業を考えているので、ほかの病院で雇われ院長となって病院の運営や経営面の勉強をしたい」などのような経営者として能力アップをも含む言葉です。
この場合、「自分が将来どのような医師になりたいのか」「自分の目指すべき医療人としての未来はどんなものなのか」をきちんと考えておくと、無駄のない転職ができるでしょう。
医師の中には、「将来的に開業したい」と考えている方も多いです。
独立を考えている医師の場合、実務の経験だけではなく、病院経営についても学ばなければなりません。このため、経営のノウハウを学ぶ目的で、大規模な病院から小規模な病院への転職を検討します。
また、開業医にとっては地域との繋がりも大切です。すでに開業したい地域が決まっている医師ならば、繋がりを作るために、将来的に開業したい地域の病院へ転職することもあります。
医師として病院でやりたいことはそれぞれ違います。外科手術を通して多くの症例を知りたい人もいれば、スキルを活かして専門の診療科で仕事をしたい人もいるでしょう。
ところが、職場でどんな仕事をこなすことになるかは、病院の方針によって変わってきます。このため、やりたいことができない時、または病院の方針転換でできなくなってしまった時に、転職を考えるようです。
女性に多い理由が、結婚や妊娠、育児のような家庭の事情での転職です。
今までは常勤の医師として働いていた女性が、結婚、妊娠、育児などの節目に時間の融通が利きやすい非常勤の医師への転職を希望することがあります。
この場合、時短勤務できる職場や、残業・当直のない職場が、転職先としての人気が高いです。
こちらはある程度年齢を重ね、高齢に差し掛かった医師に多い理由です。
医師には定年がありませんが、業務がハードな場合は体力的についていけなくなるため、セカンドキャリアを見つけたいと思い、転職を考え始めます。
セカンドキャリアを見つけたい高齢の医師に人気なのは、非常勤の求人です。
また、介護老人保健施設は比較的余裕を持って働ける職場であることから、こちらも人気があります。
医師によっては、「転科したい」という理由から転職を検討します。
例えばこれまでは形成外科で仕事をしていた医師が、内科的な対応もしたいと考え、皮膚科への転科を希望することがあります。
医師の転科は決して簡単ではありませんが、求人情報の中には未経験での募集もあるため、不可能ではありません。転職コンサルタントを利用して、バックアップしてもらうことも考えましょう。
>>美容外科へ転科するメリットは?美容皮膚科との違いや失敗しないコツを解説
>>美容外科に転職するメリット・デメリットとは?未経験でも美容外科医になれる?
病院やクリニックのような医療機関から、製薬会社や医薬品開発企業などの企業への転職を希望するケースもあります。
この場合、産業医や査定医として働くことを選ぶ医師が多いです。
企業勤務は医療現場で働くよりも精神面の負担が少なく、残業も少ないことから、ライフワークバランスを大事にしたい臨床医の転職理由になる傾向があります。
院長や経営陣の管理能力に難があったり、理念に共感できなかったり、勤務先の将来性に不安を覚え、転職を検討するというのが理由の1つとして挙げられます。
また、実際に勤務先が閉業になり、転職を余儀なくされたという医師も少なくありません。
閉業が決まってからの転職活動は、理由が理由だけにモチベーションが上がりにくく、準備の進みも良くないでしょう。
勤務先の将来性が不安な場合は、早めに転職を視野に入れて行動しましょう。
医師としてキャリアアップを目指すのであれば、資格の取得は欠かせません。
具体的には、専門医や認定医の資格取得を目指す医師が多いです。
しかし、業務内容や就業時間など、様々な事情から現在の勤務先では、資格の取得が難しいということもあるでしょう。
そんな時に、資格取得を目指して転職を考えるようです。
働くにあたっては、自らが今持つ能力を発揮したいと願う医師は多いはず。
しかし、勤務先によっては今までに培ってきた経験とはまったく異なる仕事を任されることもあります。
能力を活かせる仕事ができなければやりがいを感じられませんし、その能力をさらに伸ばすことも難しいです。
結果、能力を活かせる仕事がしたいと、転職を決意します。
中には健康上の理由で転職を考える医師もいます。
そもそも仕事ができないほどに体調を崩して以前の勤務先を辞め、回復してから復帰するケース、業務の忙しさから体調を崩し、もっと無理せず働ける職場へ転職を考えるケースなどがあります。
近年は仕事によって心の健康を崩す方も増えており、心の健康が理由で転職する医師も多いです。
医師は現場で働く仕事なので、勤務先へ通えないようであれば転職しなければなりません。
家庭の事情で引っ越しをすることになった時、勤務先が車や電車で通えなくなった医師が、転職という選択をします。
もしくは、勤務先へ通えても、アクセスが悪くなったことを理由に、もっとアクセスの良い職場を探して転職するケースもあります。
ここまで、様々な医師の転職理由を見てきましたが、やはり多いのは勤務負担の大きさが関係しているケースです。
なぜそれほどまでに、医師の勤務負担は大きいのでしょうか?
医師の勤務負担が大きくなっている理由には、次のようなものがあります。
・拘束時間が長い
・雑務が多い
・異動が多い
・当直明けの連続勤務
・専門外の患者への対応が必要
・高齢化による医療ニーズの高まり
・オンコール対応が必要
・管理・事務業務が多い
このように、医師は体力面にも精神面にも、大きな負担がかかる職種です。
医師の働き方改革が課題になっていることからも、医師の仕事が激務であることが分かります。
こうした勤務負担を減らさなければ、医師の転職はなかなか減らないでしょう。
キャリア維持やキャリアアップを考えるならば、転職は早めに済ませてしまうのがベストです。
しかし、本当に転職するべきか?と悩んでいる方も少なくないでしょう。
参考までに、以下の項目に当てはまる方は転職した方が良いと言えます。
・うつ病や睡眠不足に悩まされている
・現状とキャリアプランとの乖離を感じる
・給料に不満がある
・家庭との両立が難しい
特にうつ病や睡眠不足など、仕事が原因で健康に悪影響が及んでいる場合、転職せずにいることでさらに悪化することが考えられます。
取り返しがつかなくなる前に、より自分に合った環境・職場への転職を検討しましょう。
では、もしも転職をする場合、勤務先や面接官にはどのように退職理由を伝えれば良いのでしょうか?
押さえておきたいのは、どんな理由でも「ポジティブに伝える」ことです。
例えば勤務負担が大きいことから転職を決めた場合、「自分の年齢を考慮し、キャリアを見直したい」などの伝え方をすると、将来を考えて行動ができる人物という印象を与えられます。
また、給与面に不満がある場合は、「今よりも効率的に働いて、高い給与を目指したい」などと伝えれば、給与を気にするだけではなく、仕事もきっちりこなしてくれるという印象になります。
このように、どんな転職理由だったとしてもポジティブに変換するのが、上手な退職理由の伝え方です、
今はインターネット環境さえあれば、1人で転職活動ができるようになっています。
しかし、多忙な医師が1人で転職活動をするとなると、自己分析や情報収集の時間が十分にとれず、せっかく転職をしても「失敗した…」と感じてしまうケースがあります。
このため、医師の転職を成功させるなら、コンサルタントに相談することが大切です。
コンサルタントならば、豊富な情報と知識、そしてノウハウを活かして、医師の転職を成功へと導くバックアップをしてくれます。
効率的に情報収集を進められるのはもちろんのこと、条件交渉までサポートしてくれるので、希望に叶う転職ができるはずです。
「後悔しない転職がしたい」
そんな考えをお持ちであれば、医師転職コンサルタントを利用することをおすすめします。
医師転職の失敗に関しては、失敗の理由や転職活動で気をつけたいポイントなどを、下記のコラムで解説しています。併せて参考にしてください。
医師転職失敗例から学ぶ転職活動で重要なポイント
「転職」は、人生において非常に重要な決断です。また、転職する理由は一人ひとり違います。しかしほかの人の「転職する理由」を知っておけば、自分自身の「転職したい」という思いにも客観的に向き合えるようになるでしょう。
しかし、本当に大変なのは転職を決めてからです。自己分析や情報収集が不足していると、転職に失敗してしまう恐れもあります。
転職失敗を避けるためには、転職相談のプロであるコンサルタントを利用しましょう。
メディカルキャリアナビならば、医療現場を熟知しているキャリアコンサルタントが、1人ひとりにマッチした職場をご紹介します。医療機関の求める課題・人物像・労働環境を真に理解し、それに適している人材を見極められるからこそ、できることです。
転職を成功させたい医師の皆様は、ぜひメディカルキャリアナビのキャリアコンサルタントまでご相談ください。
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