新型コロナウイルスの感染拡大により、利用が広がったオンライン診療。
さまざまな診療科で導入される中、特に皮膚科は視診がメインのためオンライン診療との相性が良いと言われています。
今回は皮膚科のオンライン診療について、メリットや向いている症状、一般的な流れなどを解説します。
オンライン診療とは、スマートフォンやタブレット、電話などの情報通信機器を使って診察や薬の処方を行う医療行為のことです。
厚生労働省は次のように定義しています。
遠隔医療のうち、医師-患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び診断を行い診断結果の伝達や処方等の診療行為を、リアルタイムにより行う行為。
オンライン診療は、新型コロナウイルスの感染拡大により急速に普及しました。
パンデミック以前にもオンライン診療は存在していたものの、「初診は原則として対面診療を行う」などの制約により、実施する医療機関は多くありませんでした。
ところが、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大によって、オンライン診療の初診が解禁され、患者様に広く認知および利用されるきっかけとなりました。
さまざまな診療科の中でも、特に皮膚科はオンライン診療向きだと言われています。
これは、皮膚疾患の多くが視診によって診断できるためです。
ただし、オンライン診療では画面越しの視診となることや、触診ができないことから、対面診療に比べると診察の精度は落ちます。
そのため、あくまで対面診療を原則とし、補助的にオンライン診療を行なっている医療機関が多い傾向にあります。
皮膚科のオンライン診療のメリットとして、次の3つが挙げられます。
仕事などで忙しく、受診を後回しにしてしまう患者様は多くいらっしゃいます。
特に、ニキビやちょっとした湿疹などが気になりながらも、緊急性が低いためにそのままにしてしまうケースも少なくありません。
オンライン診療であれば、自宅や職場にいながら隙間時間を使って受診できるため、患者様の受診率も上がりやすくなります。
オンライン診療では、診察までの間自宅や職場で待機できるため、診察を待つ間の拘束時間がありません。
また、移動時間もないため、対面診療に比べて時間が大幅に短縮されます。
感染症が流行っている時期は、院内感染を恐れて受診を控える患者様も多くなります。
また、患者様自身が感染症にかかり、来院できないケースも。
オンライン診療では、他者と接触せずに受診が可能です。
お子様への感染を防ぎたい親御様からも、オンライン診療は好評です。
皮膚科のオンライン診療に向いている症状は、視診のみで診断できるものや、薬の処方のみで治療できるものなどです。
また、慢性疾患や再発しやすい症状など、何度も来院が必要な場合もオンライン診療に向いています。
ニキビは定期的な受診が必要であることや、内服薬や塗り薬での治療が基本であることから、オンラインでの診療に向いています。
急な皮膚科疾患は、視診のみで診断できるケースがほとんどです。
処方する薬も少なく、オンライン診療向きと言えます。
ヘルペスは再発を繰り返しやすい疾患であり、内服薬と塗り薬を処方するのが一般的なため、オンライン診療向きです。
ただし性器ヘルペスなど、患部の撮影が難しい場合には必ず対面診療を行います。
アトピー性皮膚炎の皮疹は特徴的なため、視診のみで診断をつけやすいです。
特に、何度も通院している患者様や、いつも決まった薬を処方している患者様にはオンライン診療をおすすめします。
薬の処方を希望される花粉症の患者様は、オンライン診療に向いています。
内服薬の処方のみであれば、シミもオンライン診療で対応可能です。
日本医学会連合は、皮膚科のオンライン診療に向いていない症状について次のように提言しています。
1. 緊急性により初診からのオンライン診療に向かない状態
(1)全身症状(発熱、倦怠感、腹痛、呼吸困難など)をともなう皮膚病変
(2)きわめて強いそう痒が持続する皮膚病変
(3)強い疼痛をともなう皮膚病変
(4)水疱をともなう皮膚病変
2.情報量や対応手段の問題で初診からのオンライン診療に向かない状態
(1) 映像ではわからない皮膚病変
(2) 自分や介助者が撮影できない部位(陰部、口腔内、背部など)にある皮膚粘膜病変
(3) 皮膚腫瘍、色素性病変
(4) 白癬、カンジダ等の真菌感染症が疑われる皮膚病変
症状によっては、皮膚科か美容皮膚科どちらのオンライン診療を受診するか迷う方もいるかと思います。
1つの目安として、目的別に選ぶと良いでしょう。
皮膚科の目的は「治療」、美容皮膚科の目的は「美容」です。
アトピーやじんましん、ヘルペスなどの疾患は、皮膚科で治療を受けてください。
ニキビは疾患にあたるかどうかは判断が難しいところですが、炎症が起こっている場合は皮膚科をおすすめします。
内部リンク:美容皮膚科が行うニキビ治療とは?
皮膚科のオンライン診療の一般的な流れは、次の通りです。
まずは事前に予約が必要です。
病院のホームページや指定のアプリからなど、予約方法は医療機関によって異なります。
診療の前に、オンラインやアプリで個人情報の登録や問診票の記入を行います。
予約時間になったら、医療機関から着信があります。
本人確認後、対面診療と同じように口頭で症状を説明します。
患部を画面に映すよう、医師から指示される場合も。
クレジットカードなど、事前に登録した方法でお会計します。
お近くの調剤薬局、または配送で薬を受け取ります。
通信機器と医療機関が指定するアプリの用意が必要です。
その他は、対面診療の時と同じものをご用意ください。
視診を主とする皮膚科は、オンライン診療に向いていると言えます。
その手軽さから患者様も受診しやすくなり、医師にとっても受診率が上がるというメリットがあります。
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