「ハラスメント」はさまざまな種類がありますが、昭和の頃から長く問題になっているのが「セクシャルハラスメント(セクハラ)」ではないでしょうか?
中でも「医者のセクハラ」が問題視されており、いまだにメディアでも取り上げられています。医者のセクハラは女性だけが対象ではなく、男性も起こり得ることです。
そこで本記事では、医師のセクハラ問題に関しての現状をご紹介します。また、「なぜ医師のセクハラが起こってしまうのか」「セクハラへの対処法」なども解説しているので、ぜひ参考にしてください。
セクハラとは「性的な嫌がらせ」を意味します。看護師や患者は医者と比べると弱い立場となり、縦社会の病院ではセクハラの対象になりがちです。ここではそれぞれ対象者別でセクハラ問題をご紹介します。
医療現場の立場を利用した医師から看護師へのセクハラ問題が後を絶ちません。医療現場では
医者>看護師>助手
といった縦社会が暗黙の了解となっており、どうしても弱い立場の職種が出てしまいます。
医師から看護師へのセクハラ事例 |
・結婚はしないのかと上司に言われる ・執拗に食事を誘ってくる ・飲み会の席で体を触られた ・「彼氏・彼女」はいるのかと執拗に聞いてくる ・不倫関係を迫られる |
以上の事例はほんの数例です。医師は自分より立場の低い看護師なら断らないだろうと思ってセクハラを行うこともあります。
特に、小さな診療所や診察室では防犯カメラを設置していることが少ないため、上司や同僚からセクハラにあっても証拠を残しづらいところがあります。
医師のセクハラは看護師だけではなく、患者に向けられることもあります。
医師から患者へのセクハラ事例 |
・診療室のカーテンを閉められて執拗に迫られた ・診察時に病気と関係ないのに胸を触られた ・ベッドに入ってきた |
医師は患者から信頼を寄せられていることを利用して、業務の一貫としてさりげなくセクハラをするケースもあります。
患者から訴えられても、その後「診療中だった」といった言い訳を使えることも大きな要因かもしれません。
患者は看護師の弱い立場を利用し、セクハラをすることが多いようです。また、担当になった看護師が親身になってくれることに対して、自分に好意があると勘違いすることもあります。
患者から看護師へのセクハラ事例 |
・検温の際にお尻を触られる ・作業中にベッドに引きずり込まれキスをされた ・個室だと「体のラインが綺麗だ」などの発言が多い ・患者を起き上がらせるときにわざと体を密着させる ・退院しても待ち伏せされる |
男性患者から女性看護師だけではなく、女性患者から男性看護師へのセクハラも増えているようです。
厚生労働省では、職場におけるハラスメント対策マニュアルとして、「セクシャルハラスメントについては、従前から防止措置が事業主に義務付けられています」と記載されています。
それにもかかわらず、いまだにセクハラ問題が発生しているのはなぜでしょうか?ここでは医療現場でなぜセクハラが起こってしまうのかを解説します。
職場が閉鎖的だと看護師に対するセクハラが起きやすいと言われています。外部からの目に触れることがあまりないため、なあなあになってしまったことが考えられるでしょう。
小さな世界だとそれが当たり前になってしまい、セクハラも日常化されてしまうのです。地方の診療所などでセクハラが起こりやすいと言われている理由はこのようなことが挙げられます。
オープンな職場なら人の目もあるので、セクハラが起きにくい環境になるでしょう。
患者の命に関わる医療現場では、看護師が医師の指示通りに動く必要があるため、上下関係がはっきりすることが多いです。
仕事以外でも立場を悪用する医師が多く、看護師にセクハラしても問題ないと思っていることも原因だと考えられます。
上司がセクハラしているのを目撃しても、上に報告することができないような職場で働いてしまったことも一つの原因です。
もし医師のセクハラを注意したら、当てつけで異動させられたり、嫌な仕事ばかりを押し付けられたりと、自分に降りかかってくるリスクを考えると言えなくなるのでしょう。
上司のセクハラを職場のみんなが暗黙の了解にしているような環境なのかもしれません。
セクハラを受けたことを周りに言うことで、みんなに迷惑がかかるのではないかと心配になる看護師もいます。
その結果、「自分さえ我慢すれば」と思い、相談せずにグッと堪えてしまうのです。セクハラしている医師もそのことを感じとり、ますますエスカレートしてしまいます。
患者から看護師へのセクハラも受けやすいです。医師よりも看護師のほうが自分の意見を言いやすく、わがままを言っても聞いてくれるからといったことも理由に挙げられます。
入りたての新人看護師は、「患者なので優しくしなければ」という思いが強く出ますよね。ですが、たどたどしい動きは患者でも新人だということがすぐにわかります。
慣れていない看護師が何も言わないことをいいことに、セクハラをする患者も中にはいます。最初は勘違いかな?と思ってそのままにしておくこともあるでしょう。その後セクハラだと気がついたときには、すでにエスカレートしている状態かもしれません。
患者の体を拭いたり体を起こしたりする際に、どうしても密着しやすい状況になります。
それを利用して、患者から必要以上に体を触られることもあるでしょう。
看護師や医師や患者からセクハラを受けた場合は、我慢せず何かしらの対応をする必要があります。
医師のセクハラを受けた時点で、はっきり拒絶した態度を示すことが大切です。曖昧な態度をとることで「セクハラをしても大丈夫そうだ」とセクハラ加害者に認識されてしまいます。
一度きちんと断ることで、相手をつけ上がらせずにすみます。
参考資料:厚生労働省
「セクハラをキッパリ拒絶してください」と言われても、なかなか勇気が出ないこともあるでしょう。また、「違う上司に相談したけど取り合ってくれなかった」「会社に相談すると不利益がありそう」といったことが考えられます。
そのようなときは、セクハラ問題を取り扱っている相談窓口に問い合わせてみるのもおすすめです。セクハラについてどう対処すれば良いのかのアドバイスをしてくれます。
参考資料:相談窓口のご案内 – あかるい職場応援団 – 厚生労働省
医師による悪質なセクハラが続くことで、精神的苦痛を感じることもあります。そうなる前に法的手段を取るのも視野に入れておきましょう。
場合によっては、精神的苦痛を受けたとして、セクハラ加害者から慰謝料を請求できることも。
弁護士に依頼する場合は、証拠の提示が重要になってきます。例えば以下のような証拠があると有利です。
・セクハラに関する音声データやメールを集める ・被害の内容や日時を記録しておく ・目撃した同僚の証言を集める ・身体・精神的に不調が生じたことがわかる診断書 |
現在、加害者から被害に遭っているのなら、上記の証拠を集めるのが大切です。また、過去のセクハラ被害者からも情報が集められるかもしれないので、話しを聞いてみると良いでしょう。
セクハラがエスカレートする前に、退職・転職するのがおすすめです。その場で断ったとしても、関係が元の状態に戻ることはほとんどありません。
また、法的処置を取ったとしても、時間がかかり精神的にも疲れてしまいます。
働いている職場をどうしても辞めたくないのなら異動願いを出すのも一つの方法ですが、同じ企業に加害者がいると思うと不快な思いを拭えないかもしれません。
「なぜ被害者の私が辞めなければならないのか」と感じるのは当然のことです。しかし、セクハラで訴えたとしても、損害賠償の支払いを命じられることはありますが、加害者を懲戒解雇するのは難しいと言われています。
現在、医療業界は看護師が人手不足しており、転職するのにそれほど苦労しません。看護師は転職先に困らないと言われており、今よりも条件の良い働き先が見つかる可能性のほうが高いです。
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「このままの環境で続けていて良いのだろうか…」
セクハラや職場への悩みがある方は、転職をすることもひとつの解決策です。コンサル会社による医師の転職・求人サイト メディカルキャリアナビの「求人情報検索」から求人情報を確認してみませんか?
転職準備については、詳しくは以下のコラムをご覧ください。
>>【医師転職】履歴書・職務経歴書の書き方!テンプレートあり
医師からのセクハラを受けた場合は、我慢して働くよりも転職するのも視野に入れましょう。看護師は医療業界にとって必要不可欠な存在です。
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