医師のキャリアで気になるのが、医者になりたてである20代の頃の収入です。医者という職業は、若い頃から多くの収入をもらえるのでしょうか?
この記事ではこれから医者になりたい方や、医者になったばかりの20代の方に向けて、20代医者の平均年収やキャリアアップの方法を解説します。
まずは気になる20代医者の平均年収を見てみましょう。
平成28年賃金構造基本統計調査によると、24〜29歳の医者の平均年収は、男性が690万2200円、女性が628万2900円とされています。ただし、24歳と29歳の収入では大きな開きがあることも分かっています。
医者は基本的に、卒業して働き始めたばかりの頃は月給30万円弱と、一般企業でもらえる収入と大差ありません。しかし、20代後半になって徐々に給料が増え始めるという特徴があるのです。
続いて、20代を含めた年代別の医者の平均年収を見ていきましょう。
同じく平成28年賃金構造基本統計調査では、20〜60代の医者の平均年収は以下のように発表されています。
年齢 | 平均年収(男性) | 平均年収(女性) |
24〜29歳 | 690万2200円 | 628万2900円 |
30〜34歳 | 1013万8100円 | 968万3500円 |
35〜39歳 | 1187万1100円 | 1193万1600円 |
40〜44歳 | 1538万7900円 | 1259万2000円 |
45〜49歳 | 1657万3300円 | 1365万4300円 |
50〜54歳 | 1807万7000円 | 1518万1600円 |
55〜59歳 | 1807万6000円 | 1589万5200円 |
60〜64歳 | 1658万9100円 | 1427万1900円 |
65〜69歳 | 1610万1300円 | 1516万5300円 |
上の表から、20代と30代前半では男女とも平均年収に約300万円の差があることが分かります。
20代の平均年収である600〜700万円は、一般企業に比べると高いとはいえ、医者という職業で見ると低いと言えるでしょう。
では、なぜ20代医者の年収は低いのでしょうか?理由を解説していきます。
医者になるためには6年間、大学などの医学部に通わなくてはなりません。卒業時の年齢は最短で24歳、そこからさらに2年の研修期間を経て、正式な医者として認められます。つまり、医者は26歳までは研修医として勤務しなければならないということです。
研修医期間の給料は月給30〜40万円とさほど高くありません。加えてアルバイトが禁止であることから副収入を得ることもできず、20代医者の平均年収が低く抑えられているのです。
20代ではまだ医師としての経験や保有資格が少ないことも、年収の低さに関係しています。
医師はさまざまや症例を経験したり、専門医などの資格を取得したりすることで給料が上がります。まだ経験が浅い20代では、給料も上がりにくいと言えるでしょう。
資格に関しても、取得する頃には20代の終わりが近いことから、20代の平均年収に大きな影響は与えにくいです。
「【年代別】医者の平均年収」で確認したように、医者の平均年収が上がるのは30代からです。理由としては、30代では多くの方が研修医期間を終えており、その分、給料が上がっているためです。中にはアルバイトをして、副収入を得ている医者も少なくありません。
医師におすすめの副業は?忙しくでもできる医師免許×在宅の仕事を紹介
また、20代の頃の経験や取得資格によって、年収が上がった実感を得られ始めるのもこの頃です。
医者という仕事で稼ぎたい方は、多少年収が低いと感じても、30代まで働き続けることで徐々に年収が増えていくことを覚えておきましょう。
30代になってから少しでも多くの年収をもらうためには、20代後半の頃からキャリアアップに向けて準備を始めることが大切です。
中でも重要なのがキャリアプランを考えておくこと。年代ごとの仕事内容や環境、求められることなどを踏まえたキャリアプランを立てることで、年代ごとにやるべきことが見えてきます。
以下は、医者のキャリアプランの例です。
20代 | 専門医の資格取得を目指して研鑽を深める |
30代 | 専門性を極めながらマネジメントや指導の経験を積む |
40代 | 生涯年収や今後のキャリアを踏まえて転職する、開業する |
50代 | 慣れた勤務先で定年まで勤める、セカンドキャリアを歩夢 |
基本的に20代は土台を作る時期です。将来の目標に応じた努力を、20代のうちから行っていきます。
目標とは、例えば勤務医として働き続けるのか、いずれ開業を目指すのかなどです。勤務医と開業医では求められる知識やスキルが異なるため、早いうちに目標を決めておく必要があります。
他にも診療科や職場(病院、大学病院、診療所など)によっても待遇や働き方が変わってきます。場合によっては転職なども考えながら、自分にとって一番理想のキャリアを目指しましょう。
キャリアプランの考え方について、詳しくは以下のコラムをご覧ください。
今は医師でもキャリアプランが必要な時代!年代別にみる考え方のポイント
また、医者が年収アップを目的とした場合の選択肢についても解説していますので、併せて参考にしていただくことをおすすめします。
>>美容クリニックで働くための資格とは?美容外科と美容皮膚科の違いや仕事内容、学会についても解説
>>美容外科医の平均年収はなぜ高い?他科と収入の比較や業界トレンド、美容外科への転科方法も解説
専門医の選び方は、医師のキャリアの方向性を決める重要なステップです。以下に、専門医の選び方についてのポイントをご紹介します。
自分のスキルセットや性格に合った分野を選ぶことが重要です。例えば、手先が器用で集中力があるなら外科系が向いているかもしれませんし、コミュニケーション能力が高いなら内科系や精神科が向いているかもしれません。
自分が特に興味を持っている疾患や治療法がある分野を選ぶことが重要です。興味を持つことで、日々の仕事が楽しく感じられ、長期的なキャリアの満足度も高まります。また、手術が中心の外科系か、カウンセリングや診断が多い内科系か、自分の得意分野や好みに合わせて選ぶことができます。
例えば、救急医療や外科は緊急対応が多く長時間勤務になる傾向があり、小児科や内科は比較的規則的な勤務時間が期待できる場合があります。自分の望むライフスタイルに合った専門を選ぶことも重要です。家族との時間や自分の趣味を大切にしたい場合は、オンコールの少ない専門を選ぶことが考えられます。
高齢化社会の進展に伴い、老年医学や緩和ケアの需要が増えているように、将来の医療ニーズを予測し、需要が高いと考えられる分野を選ぶことも一つの戦略です。また、勤務を希望する地域の医療ニーズに基づいて選択するのも一つの方法です。地方では特定の専門医が不足している場合があり、そうした分野に進むことでキャリアのチャンスが広がることもあります。
一部の専門分野では、医療機関の管理職や教育者としてのキャリアを積む機会が多い場合があります。自身のキャリアゴールに合わせた選択が求められます。さらに専門分野によって収入には差があります。収入が重要な要素であれば、一般に高収入とされる分野(例:心臓外科、整形外科、形成外科など)を考慮することもできます。
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この記事ではこれから医者になりたい方や、医者になったばかりの20代の方に向けて、20代医者の平均年収やキャリアアップの方法を解説しました。
医者の20代は、30代以降に比べると年収が低い傾向にあります。しかし、20代のうちにしっかりとキャリアプランを立て、土台を作っておけば、将来の大幅な収入アップにつながります。
20代のうちに何をすれば良いか分からない方は、まずキャリアプランを立てることから始めてみましょう。キャリアプランを立てた結果、場合によっては転職や転科も検討する必要が出てきます。その場合はぜひメディカルキャリアナビのサービスをお役立てください。
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