研修医と専攻医の平均年収は？医師の卵から1000万円を目指す方法を解説

初期研修医と専攻医では仕事内容や経験が異なるため、それぞれの時期で年収が違います。これから医師を目指している方は、将来的にも年収の推移が気になるのではないでしょうか。

そこで本記事では、初期研修医と専攻医の平均年収をご紹介します。また、研修医の仕事内容や副業の考え方も解説しているのでぜひ参考にしてください。

初期研修医の平均年収は？

初期研修は、医師として必要な基礎を身につける期間です。初期研修期間は2年間で、初期研修後に専門科を決定します。

この期間は年収が低いといわれていますが、医師の平均年収よりも低くなるのか気になるところです。ここでは初期研修医の平均年収を詳しく解説します。

<h3>初期研修医の平均年収は約450万円</h3>

初期研修医の1年目の平均年収は、約450万円といわれています。初期研修医の年収が低いといわれている理由として、もともと医師の平均年収が高いことが挙げられます。

厚生労働省の「第２３回医療経済実態調査 （医療機関等調査） 報告」によると、医師の平均年収は1,467万8,978円でした。一般的な医師の年収と比較すると、研修医1年目の年収にギャップがあるため、低いイメージを持たれてしまうのかもしれません。

しかし、厚生労働省の「令和４年賃金構造基本統計調査の概況」によると、一般企業に務める20〜24歳の平均年収が218万円なので、初期研修医のほうがかなり年収が高いことがわかります。

医師の年収に関して詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

＞＞30代勤務医の年収は1,000万円？年代別の給与や高年収を目指す方法を解説

研修医の初任給は約430万円

厚生労働省によると、平成23年度（2011年）研修医の初任給の平均年収は、約435万円でした。月給に換算すると、およそ20万円となります。

なお「令和５年賃金構造基本統計調査速報」の一般労働者の初任給はおよそ250万円でした。

研修医と一般労働者の年収を比較すると研修医のほうがかなり高いことがわかります。

参考：厚生労働省｜臨床病院における研修医の処遇

研修医の勤務先別で見る平均年収

下記の表を見てもわかるように、大学病院と臨床研修病院の年収の差は大きく開いています。

大学病院は医療のみならず教育や研究の場としても機能し、医師や看護師などの専門家の育成や医学の発展に貢献しています。

しかし、予算の配分において人件費以外の分野にも資源を充てる必要があるため、人件費の割合が少ない傾向に。

さらに臨床研修病院の住宅手当の平均額は35,100円で、大学病院の24,600円よりも充実しており、臨床研修病院のほうが全体的に待遇が良いことがわかります。

専攻医の平均年収は？

専攻医（後期研修医）とは、初期研修を終え、医師としての専門性を高めるために日本専門医機構が定める研修プログラムを受けている医師のことです。ここからは専攻医の平均年収を見ていきましょう。

専攻医の平均年収は約570万円

専攻医は医師3〜5年目です。e-Statの「職種（小分類）、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額（産業計）」の経験年数1〜4年の給与を見ると、約48万円でした。

年収に換算すると576万円です。医師の平均年収よりは低くなりますが、研修医卒業後は高くなる見込みです。

初期研修医の年収が違う理由

医師としての基礎教育を修了した後、専攻医は特定の診療科や分野に焦点を当てた専門的な教育を受けます。

この研修期間中、医師は専門の知識や技術を習得し、より高度な医療サービスを提供する能力を身につけなくてはならないため、初期研修医よりも年収が高くなるのが特徴です。

研修医後の年収の推移

医師は職種年収ランキングで常にトップ3に入るほど年収が高いことで有名です。

「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で調査したところ、医師の平均年収は約1,428万8,900万円、平均給与は97万円、平均賞与が113万5,700円でした。

研修医後の平均年収の推移は下記の通りです。

※企業規模が1000人以上の場合

参考：e-Stat｜令和4年賃金構造基本統計調査

年齢別に比べると、45〜49歳がピークとなり、その後緩やかに下がっていくのがわかります。30代後半になると経験を積んでいき、年収が1,000万円以上になるケースが多く見受けられます。

＞＞医師の平均年収の現実！高すぎる？中央値や最低収入など徹底解説

初期研修医・専攻医の給与の内訳を解説

研修医の年収の内訳は「基本給」「当直手当」「賞与」に大別されます。研修医の給与の内訳を確認しましょう。

基本給

「基本給」とは、労働者に支払われる給与のうち、諸手当やボーナスなどを含まない定額部分のことです。会社の基準に基づいて決められ、能力や経験、役職、勤続年数などに応じて支給されます。

一方、「給与」は基本給プラス時間外手当、深夜勤務手当、通勤手当や家族手当、役職手当、歩合給など諸手当を含んだものです。

さらに研修医2年目以降の手取り額は、源泉所得税、健康保険料、住民税などを控除された額となります。

当直手当

当直手当は、医師が当直勤務を行った際に支給される手当のことです。当直勤務は、通常業務とは異なる業務に就くことを指し、定期的な巡回や緊急事態への対応などが含まれます。

具体的には、夜間や土日祝日などに医師が常駐して診療や緊急対応を行うことです。

労働基準法では基本賃金の1/3以上を支給することが義務付けられていますが、医療機関によって支給額は異なります。

賞与

賞与は「ボーナス」と呼ばれ、給与とは異なり必ずしも支払われるものではありません。賞与が支払われる場合は、一般的に夏と冬の年2回、または年1回に支給されます。

求人広告で「賞与年2回前年度実績4ヶ月分」と記載がある場合は、賞与の支給が年2回あり、給与の4ヶ月分相当額が前年度に支払われていることを意味します。

例えば、給与が50万円の場合、1回につき100万円が支給され、年間の賞与合計額は200万円となります。

賞与の計算には、基本給のみが対象となることが多く、実際には人事考課などによって支給額が調整されるのが一般的です。

初期研修医・専攻医の仕事内容

初期研修医・専攻医は実際にどのような仕事を行うのか気になる方も多いでしょう。ここではそれぞれの仕事内容を解説します。

初期研修医の仕事内容

研修医は、内科、外科、産婦人科、小児科など、さまざまな診療科を数ヶ月単位で代わりながら臨床経験を積みます。

経験が浅いため、指導医の指導の下で患者を診察し、簡単な処置や手術の補助などを行います。

専攻医の仕事内容

専攻医の業務範囲は、研修医よりも多岐にわたります。専攻医は、自己判断が求められ勤務する医療機関や専攻科によっては、より責任の大きな業務にも携わるためとても大変な業務になるでしょう。

具体的な業務内容は、専攻する医療科や勤務先によって異なりますが、臨床診療、手術、患者ケア、医学研究などが含まれます。

専攻医ならアルバイトで1000万円になることも

専攻医は初期研修医と異なり、勤務先の就労規則に従っていれば他の医療機関でアルバイトなどの副業が可能です。これを外勤と呼びますが、外勤によって大学時代の奨学金を完済する方もいます。

専攻医の収入と合わせて1,000万円になることもあり、かなりの年収アップが期待できます。

メディカルキャリアナビでは、非常勤の求人募集も多数ご用意。例えば、以下のような求人募集があるので参考にしてください。

3時間のスポット勤務で33,000円受け取れるため、専攻医の仕事が終わり次第勤務できます。15日間勤務すれば495,000円となり、バイトとしては高額の給料になるでしょう。

当社はエリアや職種などで検索ができるので、副業をお探しの方はぜひご利用ください。なお、おすすめの副業は下記のコラムでご紹介しています。

＞＞医師におすすめの副業は？忙しくてもできる在宅の仕事やメリットをご紹介

まとめ

6年間の医学部を卒業し、初期研修医・専攻医と段階を踏んで医師として働けます。年収は初期研修医がおよそ450万円、専攻医が約570万円と差があります。

初期研修医ではアルバイトが禁止ですが、専攻医は勤務先によってバイトができるため、本業に支障をきたさない程度で働くことを考えるのがおすすめです。

副業するにあたって、確定申告を行うデメリットや注意点が挙げられます。しかし、収入が増えるメリットのほうが大きいといえるでしょう。

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