オンコールとは、訪問看護師が利用者の電話対応を24時間行うことです。利用者の中には一人暮らしをしている方や、ご家族と一緒に暮らしている方もいらっしゃいます。
オンコールは24時間、休日や夜間など関係なく対応する必要があり、ストレスが溜まり、睡眠不足に陥りやすく、精神的にも厳しい仕事だと言われています。
そこで本記事では、オンコール勤務のストレス問題についてご紹介。また、待機中の過ごし方なども解説しているので、ぜひ参考にしてください。
画像引用:厚生労働省|24時間オンコール対応の負担
オンコール制度を導入しているのは、24時間体制で患者に対応する施設や、患者が急変する可能性がある施設などです。
オンコールは特殊な勤務形態であり重要な役割を持ちますが、いつ利用者から呼び出されるのか分からない状態で待機する必要があります。
特に産科や外科、消化器科は人命に関わりやすく急患が出やすい科目なので、オンコールでの出勤が多くなりがちです。
いつ利用者の相談を受けるかわからないオンコール勤務は、常に携帯を所持しておく必要があるため、ストレスが溜まりやすい傾向にあります。
待機中は好きな場所で過ごしても良いのですが、いつ利用者の電話が鳴るか分からない状態です。
いつ電話が鳴るのか分からない状況なので、休んだ気がせず長時間労働をしているような気分になることもあります。
「休日や仕事終わりの晩酌を楽しみにしている」という看護師も少なくありません。
しかし、いつ呼び出されるのか分からないため、オンコール勤務中は好きなお酒を飲めないのがストレスの原因につながります。
そもそもお酒を飲んではならない理由として、利用者に緊急を要する事態が起こった場合は車を運転する場面が出てくるかもしれないからです。
その他にも運転業務がなくても、医療ケアに支障をきたしてしまうことが考えられます。飲酒すると正しい判断ができなくなることもあるため、オンコール勤務中は飲んではならないのです。
オンコール勤務中は基本的に自宅待機となり、利用者から呼び出しがあっても、すぐに電話対応ができる状態にします。
オンコールで利用者から電話があっても必ず出勤となる訳ではありませんが、出勤しなくてはならなくなったことを考えると遠出はできないでしょう。
イベントの予定を入れても変更することになりかねないため、予定を立てるのにも注意が必要です。
また、一日の疲れを癒す入浴中にも常に携帯を近くに置いておかなくてはなりません。
画像引用:J-STAGE|訪問看護師の夜間オンコール業務と負担感および睡眠への影響
一番の大きなデメリットは、睡眠に影響を与えることです。上記のグラフを見ると、オンコールを担当した日のほうが、担当していない日に比べて睡眠時間が短くなっているのがわかります。
ただし、睡眠時間はそこまで大きく変わらないものの、途中で目覚めてしまったり翌日の目覚めのすっきり感などに影響を与えていました。
オンコール当番になると、精神的にも負担を感じていることがわかります。
一般的な病院や介護などの施設では、1回1,000〜2,000円、訪問看護ステーションでは1回1,000〜3,000円が相場です。
オンコールの呼び出しで出勤した場合は、時間外の時給が発生したり定額の手当が支給されたりします。
精神的な負担があるのにも関わらず、思ったよりも手当が少ないと感じる方も多いようです。ちなみに、オンコールの待機中は基本労働時間に当たりません。
訪問看護師の中には子育てをしながら仕事している方が多いです。しかし、急に利用者からの呼び出しがあった場合、子供をどうするかという問題が考えられます。
家族の理解を得られないと、オンコール勤務と子育ての両立は難しくなるかもしれません。まだお留守番ができないような小さなお子様がいらっしゃる場合は、あらかじめ知り合いやご両親、預かりサービスなど預け先を複数見つけておく必要があります。
「看護職者のヒヤリハットに及ぼす睡眠障害とバーンアウトの影響」では、”わが国において、看護の睡眠障害は70.5%、不眠症有病率は37.3%、不眠症の眠剤使用は30.2%との報告がある”とあり、多くの看護職者が睡眠不足を感じているといえます。
子育て中の方は特に、睡眠への不満を感じている方が多いのではないでしょうか。
上記以外にも睡眠不足によるリスクはたくさんあり、これらは業務にも支障をもたらします。
患者さまの健康も大切ですが、まずはご自身の健康を大切にしましょう。
オンコールはストレスが溜まりやすい勤務形態ですが、メリットもあります。ここではオンコールのメリットについてご紹介します。
オンコール勤務は24時間体制となりますが、意外にオンコールの頻度は少ないようです。下記は施設の求人募集の一例です。
夜勤はありません。 オンコールがあります。頻度は、月に1~3回、電話での質問が主です。オンコールで来園いただく頻度は、数カ月に1回あるかないか程度です。 引用:日本看護協会|求人検索 |
もちろん施設によって患者のオンコール回数はもう少し増えるかもしれませんが、思ったより呼び出される確率が低いと感じる看護師も多いようです。
また、実際に電話があったとしても、相談だけで終わることが多く、自宅にいながら業務が終了できることがほとんどでしょう。
困っている利用者のサポートができるということが、オンコール勤務の一番のやりがいではないでしょうか?
利用者の笑顔を見ると、ストレスが一気になくなったような気持ちになりますよね。また、「医療従事者がいつでも対応してくれる」といったことが利用者の安心につながるのもメリットです。
当事者だけではなく、そのご家族も24時間いつでも看護師に連絡ができるということで、ありがたい存在だと思ってくれるでしょう。
オンコールで呼び出しがなければ、自宅や周辺で楽に過ごせるのがメリットです。オンコール勤務は基本的に自由なので、拘束される日勤よりは好きな時間を過ごせます。
また、出勤時間を気にすることなく、好きな時間に起きられるのが良いところです。
オンコール勤務のストレスを少しでも減らすために、どのような日常生活を過ごせば良いのかのポイントをご紹介します。早速、どんなストレス解消法なのかを見ていきましょう。
ストレスを少しでも軽減するためには、予定を入れずに自宅やその周辺で読書や映画鑑賞などゆっくり過ごすのがおすすめです。
しっかり予定を入れてしまい、出先から職場に出勤しなければならなくなった場合、予定を中断することでストレスが溜まってしまいます。
食事する際はアルコールとセットにする習慣のある方は、オンコール勤務だけノンアルコールを活用するのがおすすめです。
お茶や水では味気ないので、お酒を飲んでいる雰囲気を少しでも感じられるノンアルコールにしましょう。
これなら利用者から依頼があっても、通常通り指示ができて業務に支障をきたすことはありません。
家庭を持っている方やご両親と一緒に暮らしている方は、家事などを協力してもらいましょう。ご家族の協力があってこそ、働きやすい環境になります。
特に夜間に仕事が入った場合でも、すぐに対応できるように子供の面倒はどうするかなどの話し合いをしておくとストレスが溜まらずにすみます。
家族と一緒にオンコールに備えることで、余計なストレスを抱えることはなくなるでしょう。
自分ではどうしてもオンコールによるストレスが解消できないという方は、オンコール勤務がないか、または少ない会社に勤務することを視野に入れましょう。
実際にオンコールの負担を軽減するために、計画的な夜間訪問を取り入れている施設も多くなりました。たとえば、状態変化のリスクが高いと判断された利用者に対して、計画的に夜間訪問することで、オンコール件数が減った事例もあります。
ただし、オンコールが多い病院もあるため事前に確認しておきましょう。
参考資料:厚生労働省
今回は、訪問看護師によるオンコールのストレスについて紹介しました。オンコールによるストレスは看護師だけではなく、医師にも当てはまります。
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