医者の面接では、一般的な質問のほかに医者ならではの質問をされることがあります。転職活動において面接は採用が決まるかどうかの大切な場面なので、事前にしっかりと準備をして面接に臨みましょう。
今回は、医者の面接でよくある質問や回答のポイント、必要な準備、ミスマッチを防ぐために気をつけることなどを紹介しています。ぜひ参考にしてください。
医者の面接で聞かれやすい質問やそれぞれに回答するときのポイントを紹介します。
自己紹介では簡潔にわかりやすく話せるかがみられています。1分を目安に名前や経歴、専門分野、保有資格、希望する配属先などをまとめましょう。自己紹介の最後は、「本日はよろしくお願いいたします。」などの言葉で締められると丁寧です。
自己紹介は面接の印象を大きく左右するため、大きな声で明るくハキハキと話しましょう。
自己PRでは、自身のことを俯瞰的に偏りなく捉えられているかが見られています。長所ばかりではなく短所も交えながら話しましょう。
ただし、短所を話すときは工夫が必要です。短所をカバーするために意識していることや短所を長所としても捉えられるエピソードなどを併せて話しましょう。短所との向き合い方や新たな長所をアピールすることができます。
例:決断までに時間がかかりやすいが、さまざまなケースの安全性やリスクを詳細に理解した上で判断する。
前職の退職理由を問う質問は、長期的に働けるかを確認するために聞かれます。
「キャリアアップのため」や「自分のスキルを磨くため」、「結婚や子育てに伴う引越しのため」などのようにポジティブな回答をしましょう。
本来の退職理由が過酷な労働環境や待遇の悪さ、人間関係での悩みといったネガティブなものであったとしても、そのまま伝えるとマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。そのため、前向きな理由に変換して伝えることが大切です。
志望動機を問う質問では、応募先に対する先生の熱量が見られています。「応募先でしかできないこと」を志望動機にすると熱量の高さをアピールでき、好印象に繋がりやすいです。
回答する際は「結論、理由、具体例」の順に構成を組み、具体例では現状の問題点や過去の経験を交えながら話すことで、伝わりやすくなります。
ストレスへの対処法を問う質問では、ストレスに対して冷静に対処できるか、どのように対処しているかが見られています。
医者は常にプレッシャーと隣り合わせの状況で仕事をしているため、精神的なストレスがかかりやすいです。具体的な対処方法を交えながら、ストレスに対して素早く冷静に対処している姿勢を伝えましょう。
診察中の急患への対応を問う質問では、変化に対する対応力やプレッシャーのかかる状況で適切な判断ができるかが見られています。診察中の患者に配慮しつつ急患に適切な処置をする旨、急患を安全な状態にしてから診察を続ける旨を伝えましょう。
医者を志した理由を問う質問では、報酬面の他に医者になった理由があるのかが見られています。
収入の高さは医者の魅力の一つではありますが、応募先の多くは患者に寄り添って対応できる医者を求めています。「患者をサポートしたい」「医学や専攻した専門分野に貢献したい」など、医学を専攻した当時の患者や専門分野に対する想い・意欲を伝えましょう。
経験・スキルを問う質問では、先生がどれだけ応募先の医療機関で戦力になれるのかを見られています。自分の習得したスキルが応募先でどのように役に立つのかをアピールしましょう。
リーダーやマネジメント経験、医療現場で役立つ資格などもあれば伝えておくと高評価を得られやすくなります。
また、応募先の分野に関わる資格の勉強をしている場合も意欲の高さをアピールできるので伝えることがおすすめです。
キャリアプランを問う質問では、入職後にどのような活躍が期待できるか、長く働くことはできるのかが見られています。
キャリアアップを目指し、長期的な目標を立てたり勉強したりしている先生は応募先から高い評価を得られます。ただし、応募先が長期的に活躍できる人材を求めている場合、開業や留学などを視野に入れている旨を話すと採用されづらくなる可能性があります。 自分のキャリアプランを変える必要はありませんが、応募先に寄り添いながら伝えられると良いでしょう。
面接の終盤になると「なにか質問はありますか?」と応募先側から先生に質問されます。
逆質問は、応募先に対する意欲・関心の高さをアピールしたり自身を強く印象付けたりできるチャンスなので、できるだけ質問することをおすすめします。
治療方法や導入している技術・機器などに関する内容、不安な点などを素直に質問したり、意欲や人柄をアピールできる内容を質問したりすると面接官から好印象をもたれやすいです。
以下は逆質問の例になります。ぜひ参考にしてみてください。
・新しく導入された技術や機器などはありますか? ・ 担当患者様への対応で気をつけるべき点はありますか? ・ 高難度医療技術の適用範囲をおしえてください。 ・スタッフや患者様との関わりにおいてどのようなことを大切にされていますか? ・入職までにしておくといい準備や勉強はありますか? |
逆質問において先生自身をアピールできる内容の質問は問題ありませんが、待遇や労働環境に関する繰り返しの質問は先生の印象を下げる可能性があるため避けるのが無難です。
待遇や労働環境に関しては事前に自分で調べるか、紹介会社を経由している場合は事前に紹介会社に確認することをおすすめします。
求人票への記載が不十分であったり面接官から十分な説明がなかったりと、疑問が残る場合は、「恐れ入りますが」「不躾ですが」といったクッション言葉を挟んだうえで質問するのが望ましいです。
面接日が決定してから当日までの間に、以下4つの準備をしましょう。
・応募先の企業研究 ・志望動機の明確化 ・待遇の明確化 ・面接練習 |
応募先の経営方針やビジョン、求めている人材などを把握したうえで面接に挑みましょう。
面接に臨む前に応募先の公式サイトなどから詳しい情報を調べておくことで、面接に対する自信をつけられたり応募先から前向きな姿勢を評価されたり、ミスマッチを防いだりすることができます。
クリニックに応募している方は、診療内容や院長の社会貢献活動なども確認しておくことをおすすめします。
曖昧な志望動機では、面接当日に応募先に対する高い熱量をアピールすることができません。自分のなかで応募先でないといけない理由を深く掘り下げ言語化しておくと、面接でしっかりと回答することができます。このとき、履歴書に記載した内容との相違がないよう注意しましょう。
また、志望動機を掘り下げていくうちに、面接でよく聞かれる退職理由やキャリアプランについて見直すこともできます。
待遇に関する内容はミスマッチを防ぐためにも重要であるため、あらかじめ明確にしておくことが大切です。先述のように、調べてわかる情報を面接時に聞くのは失礼に値するので求人票の記載は必ず確認しましょう。
その上で質問がある場合には、施設内の見学や面接当日にタイミングを見計らって尋ねます。
ある程度の回答を用意し頭の中で面接の流れをイメージできていても、当日に緊張して失敗してしまうこともあります。
失敗を防ぐには、実際に声に出して面接練習をすることがおすすめです。練習風景をスマホで撮影し、姿勢や話し方、文章の構成などを客観的にチェックすることで、イメージだけでは気付けない改善点を見つけることもできます。
面接時には、特に下記の2つに注意しましょう。
・面接官のチェックしている3項目 ・正確で端的な回答・主張 |
医者の面接において、面接官は主に下記の3項目に注目し自院で戦力になれるかどうかをチェックしています。
「スキルや経験」は特に注目している項目であり、面接官は自院の求めている分野の医療スキル・経験があるかを確認しています。
「意欲の高さ」では自院に対する貢献意欲はあるかを確認しています。履歴書の文面では伝えられない熱意を直接アピールしましょう。
「人柄」では患者に対して適切なコミュニケーションを取れるか、スタッフと円満かつスムーズなコミュニケーションを図れるかを確認しています。人柄は面接だからこそ確認できる項目のため面接官もよく見ています。受け答えは冷静に穏やかな態度で対応し、患者とのエピソードを交えた回答を用意すると人柄の良さをアピールできるでしょう。
質問に対する回答や意見の主張をするときは、質問の意図や面接の流れに沿った内容を結論から簡潔に伝えることが大切です。
意外にも、面接官の質問の意図にそぐわない回答をする方はたくさんいます。面接は評価する場であり、聞いている内容に対する的外れな回答はマイナスポイントになるため注意しましょう。
また、質問に対してダラダラと長く話すのも減点対象です。話す内容は端的にまとめ、短い文章でわかりやすく伝えられるよう意識しましょう。端的にまとめられた文章は、面接官からの興味や追加の質問も得られやすくなります。
応募先とのミスマッチを防ぐため、面接時には以下の2つに注意しましょう。
「前職の短期退職」や「開業の意志」など、不利になりうる質問に対してもごまかさず正直な意見を述べることで、入職後のミスマッチを防ぐことに繋がります。ただし、回答する際は応募先に寄り添いながら伝えることが望ましいです。
ミスマッチや入職後のトラブルにつながる恐れがあるため、勤務条件や労働環境に関する内容は事前にしっかりと確認しておくことが重要です。
先述のように、事前準備で待遇に関する疑問点があった場合は施設内の見学や面接時に明確にしましょう。
一般的に医者の年収は「経験年数・集患力・勤務条件・業務量・能力・スキル」などで決められ、希望よりも給与が少ない場合は給与交渉をする方もいます。
給与交渉をする際のコツは、判断材料として自身の市場価格を提示することです。客観的な相場よりも給与が下回っていることを証明できれば面接官を納得させられる確率が上がります。
自分での交渉が難しい方は、紹介会社を経由して面接を設定することでコンサルタントに交渉代行を依頼することができます。
医者の面接に必要なものや当日の流れについて説明します。
医者の面接で主に必要なものは以下のとおりです。
・履歴書 ・職務経歴書 ・資格免許のコピー(資格保有者のみ) ・ 筆記用具 ・メモ帳・手帳 |
他には、印鑑や腕時計、折りたたみ傘、モバイルバッテリー、常備薬なども念の為カバンにいれておくと良いでしょう。女性は、万が一に備えて予備のストッキングを持参しておくこともおすすめです。
上記以外に応募先から指定の持ち物がある場合は忘れずに用意しておきましょう。
医者の面接の当日は、主に以下のような流れで進められます。それぞれの過程でのポイントも解説いたします。
1.受付 病院に到着後、受付で面接の旨を伝えます。 2.控室(待機) 控室に案内されます。待機中のスマホや私語、居眠りなどは厳禁です。スマホの電源は切っておくことをおすすめします。 名前を呼ばれたら大きな声で返事をして面接室へ向かいましょう。 3.面接開始 入室時にはドアを3回ノックし、面接官から「どうぞ」の声がかかってから「失礼します」と一言伝えてドアを開けます。 入室後はドアを両手で閉め、「本日はよろしくお願いいたします」と伝えてから30度の角度でお辞儀をします。顔を上げたら椅子の前まで歩き、面接官から着席の指示を受けたあと「失礼いたします」と伝えて着席します。 4.面接中 面接中はできるだけ面接官の目を見て話すのがマナーです。緊張する方は、相手の眉間や鼻を見ながら話してみましょう。 5.面接終了 面接が終わったら椅子から立ち上がり、「本日はお忙しいなかお時間を頂きありがとうございました」とお礼を伝えてから40度の角度でお辞儀をします。ドアに向かって歩いたら「失礼いたします」と一言添えてから30度の角度でお辞儀をし、ドアを開けて退出します。 |
一連の流れでは、できるだけ面接官にお尻を向けないよう意識すると望ましいです。
応募先や状況によってはWebで面接をおこなうケースもあります。Web面接の場合は、下記に注意して面接に挑みましょう。
・面接にふさわしい身だしなみに整える ・ネット環境の安定した場所で面接を受ける ・生活音や雑音が聞こえない環境を用意する ・シンプルな色のマイク付き有線イヤホンを用意する ・背景は壁やシンプルなバーチャル背景にする ・面接に使用する端末を十分に充電し、マナーモードにする |
面接を受ける際の注意点を3つ紹介します。
・身だしなみを整える ・時間に余裕を持つ ・応募先に応じた対策をする |
面接を受ける際はラフなスタイルを避け、面接にふさわしい身だしなみに整えていきましょう。髪の毛や髭を整え、スーツやジャケットを着用します。洋服のシワが目立つ場合は、前日にアイロンできれいに整えておきましょう。
面接の所要時間は応募先によって異なります。場合によっては、施設の見学や一緒に働く先生やスタッフとの面会を行うケースもあるため、当日は余裕を持たせてスケジュールを組むことがおすすめです。
また、面接当日は電車の遅延や事故渋滞などが起こる可能性もあるため、早めに面接場所に着くよう行動しましょう。
医者の面接では、病院やクリニック、企業など、応募先によって求められる回答や姿勢が異なるため、応募先に応じた面接対策をしましょう。
例えば、クリニックは外来患者が多いため、さまざまな疾病に対応できる医者が評価されやすいです。業務量の多さもチェックされるポイントになります。
日々お忙しい先生方の中には、転職先を探したり面接の準備をしたりする時間が中々とれない方もいるでしょう。コンサルティング会社を通して転職先を探すことで、自分にマッチした転職先をコンサルタントが探して提案してくれます。また、プロ目線での面接対策のアドバイスやサポートも得られるため面接通過率を上げることも可能です。
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今回は、医者の面接でよく聞かれる質問や必要な準備などについてまとめました。
医者の面接では、自己PRや前職の退職理由といった面接で一般的に聞かれる質問のほかに、「ストレスへの対処法」や「診察中の急患への対応」といった医者ならではの質問も聞かれます。さまざまな質問の回答を事前に準備し、練習を繰り返して、本番では堂々と答えられるようにしましょう。
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