最近の女性医師のキャリアは、出産や子育てとの両立について注目されています。以前は、出産を機に一時的に医療現場から離れることが多かったのですが、最近ではその傾向が変わりつつあります。
これは、医療業界全体が多様性とワークライフバランスの重要性を認識し、「女性医師が職場でのキャリアを築きながら家庭との両立を図ることが可能である」という概念が浸透してきた結果です。
とはいえ、女性医師の復帰に関しては雇用形態や条件などが求められ、まだまだ難しい問題点となっています。
そこで本記事では、女性医師の転職やキャリア事情について詳しく解説します。また、実際の女性医師の転職事情を事例でご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
女性医師が転職を考える要因は多岐にわたりますが、その中でも
この2つの要素がきっかけとなることが多いようです。
画像引用:厚生労働省|出生数の年次推移,母の年齢(5歳階級)別
女性のキャリアにおけるライフイベントの影響は、多くの場合結婚、出産、育児、両親の病気や介護、配偶者の転勤などさまざまな項目に関連しています。
厚生労働省「令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によれば、19歳以下から45歳以上の間で母になった年齢を調査した結果、多かったのは30〜34歳が279,513名、25~29歳が202,502名、35〜39歳が183,325名でした。上記を見てもわかるように、20代後半から30代後半の間に多くの女性が出産を経験しています。
一方で、この年代における女性の就業率が、他の年代に比べて低いことが指摘されているのも事実です。これは、出産や育児といった家庭の責任を全うするために、離職や非常勤勤務への切り替えていることが影響していると考えられます。
特に、子どもが小さくて保育園や学校に通っていない時期は、母親の負担が増えるため、就業する機会から離れるケースが多いです。
画像引用:日本医師会「女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書」
医師の仕事は、長時間労働や緊急の状況に対応する必要があるため、家庭とのバランスを取るのはとても困難です。
日本医師会男女共同参画委員会と日本医師会女性医師支援センターが合同で行った「女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告書(2018 年4月)」の調査によれば、子どもと同居する女性医師の82.8%が休職・離職の経験があるという結果を発表しています。
さらに、日本医師会「日本医師会が考える女性医師勤務環境整備」の資料によると、女性の休職・離職理由は「出産」70%「子育て」38.3%と、他の理由を大きく離して並んでおり、出産や子育てのために一時的に仕事から離れることは、多くの女性医師にとってリアルな選択となっているようです。
実際に子育てをしながら非常勤医師として働く女性医師や、子育てが落ち着き研修を経て現場復帰を目指している女性医師もいます。ここでは、それぞれの事例をまとめたので参考にしてください。
もともとキャリアのある女性医師なら、スキルや経験を活かすことができ、非常勤医師として働くことが可能です。下記は、医療現場に戻ることに成功した事例です。
Aさんは、小さな子供を持つ女性医師。彼女は以前、大学病院で常勤の内科医として勤務していたが、出産を機に仕事と育児の両立が難しく感じ、一時的に休職。子育てに専念するため医療現場から離れたが、医師としてのキャリアを捨てるわけにはいかないと考える。 しばらくの間子育てに集中した後、地元のクリニックで非常勤医師として働くことを選択する。非常勤ならば勤務時間やスケジュールを柔軟に調整できるため、子供の予定に合わせて働くことが可能とのこと。子育てを優先しながらも医師としてのスキルを活かせて、ワークライフバランスを取ることができた。 |
非常勤の働き方には、定期的な勤務日を持つ「定期非常勤」と、特定の日やシフトだけに勤務する「スポット非常勤」の2つの形態があります。
子どもの予定にも合わせやすく、非常勤医師として医療現場に復帰する女性医師はとても多いです。
子どもができたら自分の夢を諦めるのは今の時代もったいないことです。子育てがひと段落ついたら、いくらでも自分のやりたいことができます。
以下の事例は、スキルや資格を取得することで最前線で活躍ができた例です。
Bさんは、もともと外科医として勤務していたが、出産を機に一時的に休職。子育てが落ち着いた後、彼女は新たなステップを踏みたいと考える。もともと医局で医学の進歩や技術の変化についていくため、再び学び直す必要性を感じていた。 そこで彼女は研修プログラムに参加し、最新の知識と技術を習得するために努力する。その後、新しいスキルを身につけて医療現場に復帰し、専門的な外科手術を行うチームに加わることになった。子育ての経験も活かしながら、現場での貢献を重要に考えているようだ。 |
これらの事例から、女性医師がライフステージや価値観に合わせて転職を検討し、自分らしい働き方を見つけた様子がわかります。
また、医療現場での仕事と家庭のバランスを取るために、柔軟な働き方やスキルアップの機会が重要であることも理解できたのではないでしょうか。
女性医師が働きやすい環境を確保するためには、
などが挙げられます。ここではそれぞれ3つのポイントについて解説します。
医師が少ない医療機関では、一人ひとりの医師に対する業務負担が大きくなる傾向にあります。理由として、当直や診察、手術やオンコールなどの業務を少数の医師がこなさなければならないためです。
その結果、長時間労働で休みが取れずストレスが発生し、仕事とプライベートのバランスが取れないなどのデメリットが懸念されます。
一方、医師の数が充実している大規模な医療機関なら負担を分散でき、効率的に業務をしっかりこなすことができるといったメリットがあります。大手なら子どもの予期せぬ急な体調不良などの際にも、他の医師がフォローできる体制が整っていることが多いでしょう。
育休(育児休暇)や時短勤務など、ライフワークバランスを取りやすくする制度が充実している勤務先で働くことはとても大切です。
特に福利厚生が充実している医療機関は、女性医師にとって働きやすい環境が得られます。産休期間を延長できる制度や院内保育所の設置など、子育てをサポートしてくれる待遇があるなら、女性医師が医師としてのキャリアを続けながら子育てができるでしょう。
女性医師が診療科を選ぶ際には、その診療科の特徴を考慮する必要があります。例えば、産婦人科や小児科など、女性や子どもに関わる診療科は、女性医師の視点や経験が重要視されることが多いです。
このような診療科を選ぶことで、女性医師が専門知識を活かしながら、働きやすい環境を見つけられるでしょう。
女性医師が転職活動する際は、自分の価値観やキャリアに対する目標に合わせて慎重に選ぶようにしましょう。転職活動を進める上で押さえておきたいポイントは下記の通りです。
ここではそれぞれのコツをまとめました。
転職活動を始める前に、自分の中で譲れない条件を明確にしておくことが大切です。
例えば、勤務地や通勤時間、年収、雇用形態、労働時間、福利厚生など、自分や家族にとって必要な条件をリストアップしてみてください。事前に準備することで、求人情報で職場を探す際にどの条件を重視すべきかを判断しやすくなります。
時短勤務や残業の有無、リモートワークができるかなど、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができるかを確認しましょう。特に、女医向けのアルバイトであれば、「週1〜2回程度でOK」などの求人もあり、子育て中の女性医師に人気です。
>>未経験OKの医師向けAGAバイトとは?仕事内容と人気の理由を紹介
>>美容皮膚科のアルバイトは何をする?仕事内容や収入、働く注意点を解説
>>【医師向け】脱毛バイトがいま狙い目?未経験でもできる人気のアルバイトを紹介
転職エージェントは医療業界に特化した専門知識があり、女性医師のキャリアプランのサポートを行っている企業です。
エージェントがそれぞれ譲れない条件や希望についてヒアリングし、それに合った求人を提案してくれます。
エージェントの探し方としては、保育サポートや時短勤務の提案や子育て支援に関する情報提供など、女性医師が安心して働ける環境づくりをお手伝いしてくれるようなところがおすすめです。
また、転職エージェントの実績や評判をネットで複数検索するのも大切です。信頼できるかどうかを判断する材料となります。
本来、現職で復帰するのが一番ベストですが、希望が叶えられない場合も考えられます。上記でご紹介したように、ライフイベントの影響や家事や育児とのバランスによって、以前と同じように働くことができないことが多いからです。
しかし、現職の復帰は難しくても、スキルや経験があればいくらでもニーズはあります。
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