キャリアプランとは、自分の理想的な仕事や働き方を実現するために作成する長期的な行動計画のことです。
将来像を明確化しその実現に向けて人生設計を行うことは、必要な知識・経験やスキルの把握や具体的な行動につながります。
そこで今回は、医師のキャリアプランの重要性や年代別の考え方について解説します。
自分が将来の目標を達成するために、何歳までに何をすべきか逆算して考えましょう。
従来の日本では、医師は医学部卒業後、医局に属し大学病院やその関連施設で経験を積むというのが一般的なルートでした。
医局では年次によって求められることが明確なため、それをこなしているうちに自ずと医師として必要な知識や技術が身についていきます。
つまり、医師は医局に所属・勤務することで一定のキャリアを形成することが可能だったのです。
しかし2004年に、研修先やその後の勤務先を自由に選択できる新医師臨床研修制度が導入されてからは、医局に所属せずに活躍する研修医や若手医師も増え、自身でキャリアプランを考える重要性が高まりつつあります。
まず、医師の代表的なキャリアとしては臨床医、研究医、開業医の3つがあります。
医師によっては、副業として下記のキャリアを複数掛け持ちしている人もいます。
臨床医とは、直接患者さんと向き合って診察や治療を行う医師のことです。
大学病院や民間病院、診療所(クリニック)などの医療機関で雇用されて働くことから勤務医とも呼ばれます。
患者さん一人ひとりの症状に合わせて、診察や投薬・手術などの治療行為、相談対応や生活指導などを行うのが仕事です。
研究医とは、大学や病院、研究機関などで医学研究を行う医師のことです。
患者さんにより良い医療を提供するために、感染症発生のメカニズムや、まだ治療法が確立されていない疾患などについて専門的な研究を行います。
研究医をさらに細かく分類すると、医療機関で診察や治療を行いながら研究も進める臨床研究医と、研究室などで研究に専念する基礎研究医に分かれます。
開業医とは、自分の病院やクリニックを経営する医師のことです。
最近では、内科、小児科、耳鼻科などの診療科目の他に、美容・AGAなど専門的な分野のクリニックも増えてきています。
開業医は、臨床医でありながら経営者という一面も併せ持つため、財務関係の知識や管理能力などの経営スキルも求められます。
病院などの医療機関以外にも、医師がキャリアを築ける職業はたくさんあります。
自治体で住民の健康管理に関わる公衆衛生医師、官公庁などで保健医療の制度づくりの中心となる医系技官、介護老人保健施設などの介護施設で高齢者の健康管理をする施設管理医や、企業で労働者を対象に指導・助言を行う産業医などがその例です。
また、医療機器メーカーに勤務する、再生医療や美容医療関連の事業を起こす、製薬会社でMD(メディカルドクター)として新薬の開発に携わるなど、その他さまざまな形で医療に貢献することが可能です。
将来の目標を達成するには、自分自身の仕事や働き方について具体的な計画を立てるキャリアプランの設計が重要です。
そこで、医師のキャリアプランの考え方として、それぞれの年代でやっておくべきことや身につけておくべき経験・スキルなどについて紹介していきます。
20〜30代は、医師としての専門性を高めるために自己研鑽に励む時期です。
2年間の初期研修では内科や外科、産婦人科などの科をローテーションし、各診療科の基礎を習得。
後期研修に入ると「今後医師としてどう活躍したいか」を意識した選択をする必要があります。
後期研修で選択できるキャリアは主に以下の通りです。
実際に働いてみると、学生時代に思い描いていたイメージとかけ離れていると感じることもあるでしょう。
専門医取得などは少し遅れてしまいますが、初めの選択が絶対というわけではありませんので、キャリアを重ねる中で診療科や専門分野を変えるというのも一つの手段です。
30代〜40代は、選んだキャリアの専門性を磨くとともに今後の方向性を定める時期です。
また、結婚や出産、育児などライフステージが変わる時期でもあるため、それに合わせて働き方やキャリアを再考することも多くなっています。
認定医や専門医などの資格を取得した後は、転科、転職のターニングポイントとなるため、30代後半までには自分が将来進む道を明確にしておくとよいでしょう。
40代に入ると、医師としてさまざまな経験をし、実力もついてくるため開業を考えてもよい頃です。
市場価値が高いため、自身の専門分野であれば転職も有利に進められるでしょう。
>>美容外科へ転科するメリットは?美容皮膚科との違いや失敗しないコツを解説
>>美容外科に転職するメリット・デメリットとは?未経験でも美容外科医になれる?
医師としてピークを迎える50代は、大学の医局の教授や病院の院長など組織内で責任ある立場となる人も増えてくるでしょう。
その一方で引退が近づいてくるため、現職で定年まで働くのか、それとも新たなキャリアを目指すのか決断する時期でもあります。
体力やワークライフバランスを考えて落ち着いた勤務形態の職場に転職する人もいれば、今までの知見を活かして医療機関以外のフィールドへ挑戦する人などその選択はさまざまです。
自分に合ったキャリアプランを立てるには、なるべく色々な人から話を聞いて参考にするのがおすすめです。
自分が目指すロールモデルとなる人物だけでなく、別の道を歩んでいる先輩ドクターからも話を聞いてみましょう。
視野が広がり、自身が解決すべき課題なども見えてくるため、より現実的なプランを練るのに役立ちます。
医局に所属・勤務していれば医師として必要な知識や技術が身につき、一定のキャリア形成が可能です。
しかし、病院以外にも活躍できるフィールドが増え、働き方も多様化した現代では、自らの意志で未来を切り拓く自己決定力が求められます。
将来の目標を明確化し、何歳までに何をすべきか具体的なキャリアプランを設計しておきましょう。
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