医師としてキャリアを積む中で、転職を考えることは少なくありません。しかし、一般的な会社員とは異なり、医師の転職には特有の事情が存在します。特に年齢が転職の成功に与える影響は大きく、それぞれのライフステージに応じた適切な戦略が求められます。この記事では、医師の転職を「年齢」の視点から考え、年齢別の転職事情と会社員との違いについて詳しく解説します。
まず初めに、「医師が転職するときの年齢と、会社員が転職をするときの年齢」の違いについてみていきましょう。
データによっても多少異なりますが、大手リクルートサイトであるdodaエージェントサービスが取りまとめたものによれば、転職成功者の平均年齢は31.7歳でした。
また、年代別にみたときは「25~29歳」がもっとも多く、全体の4割以上を占めています。続くのが「30~34歳」の23.3パーセントです。そして3位は、(少々くくり方がおおざっぱですが)「40歳以上」で14.6パーセントです。また、24歳以下の転職成功者も、1割近くを占めています。
これは「転職成功者の割合」ですが、「転職を考える年齢」のデータとしてもある程度有用だと考えられます。
対して、医師の場合は大きく異なります。
まず、医師は「24歳以下の転職」はあり得ません。だれもが知る通り、医師免許は最短でも24歳(現役で医大に合格し、6年間の勉強ののち1回目で試験に通る)でなければとれないからです。また、2年間の臨床研修も必要になりますから、25歳以下での転職は不可能と考えてよいでしょう。
臨床研修が済んで現場に出た直後に転職を考える人はそう多くはないためか、29歳以下での転職もそれほど多くはありません。
一般的な会社勤めの人に比べると、医師が転職する年齢のボリュームゾーンは、後ろに1~2つほどずれることになります。 これも統計によって多少異なりますが、医師の転職がもっとも多い年齢は「30代後半である」とされています。次いで「40代前半」となり、「30代前半」と「40代後半」の値がほぼ等しい状態で3位につけています。
独り立ちした医師が、自分自身の力や現在の職場について疑問を抱き始める30代後半~40代前半が、医師の転職のタイミングだと考えておくとよいでしょう(※もちろん転職には個人差があります)。
出典:dodaエージェントサービス「年代別転職のポイントも解説! コロナでどう変わった? 転職成功者の平均年齢調査【最新版】」
https://doda.jp/guide/age/
20代は医師としてのキャリアのスタート地点です。多くの場合、研修医としての経験を積む時期であり、専門分野を決定するための重要な時期でもあります。この段階では、まだ経験が浅く、専門医資格を持っていないことが多いため、転職先の選択肢は限られることがあります。しかし、逆に言えば、20代は柔軟にキャリアを見直しやすい時期でもあります。
専門医資格を取得することで、転職市場での競争力が大幅に向上します。20代での転職を考える場合、まずは資格取得を目指すことが優先されます。
将来のキャリアを見据え、どの専門分野で経験を積むべきかを考えることが重要です。この時期に転職を考えるなら、経験を積むことができる環境や、自分の興味・関心に合った分野を選ぶことが重要です。
一般の会社員が20代で転職をする場合、スキルの幅を広げたり、異業種に挑戦したりすることが多いです。一方で、医師の場合は、特定の専門分野においてスキルを深めることが重視されます。そのため、転職の際には、現在のキャリアパスが将来の目標にどう影響するかを慎重に検討する必要があります。
30代は、医師としてのキャリアが安定し始める時期です。この時期には、専門医資格を取得し、一定の経験を積んだ医師が多くなります。転職を通じてさらなるキャリアアップや収入増加を目指す医師も多いでしょう。また、家庭の事情やライフスタイルの変化に伴い、勤務形態の柔軟性を求めることもあります。
30代になると、収入アップやワークライフバランスの改善を求めて転職を考えることが増えます。自分のスキルが評価される職場を探すことが重要です。
30代では、さらに専門性を深めることで、専門医としての地位を確立することが可能です。特に、学会活動や研究を通じて専門分野での評価を高めることが転職の成功につながります。
会社員の場合、30代はマネジメント職への昇進やチームリーダーとしての役割が期待される時期です。医師の場合、管理職への道を選ぶこともありますが、専門医としてのスキルをさらに深めることが主流です。そのため、転職先を選ぶ際には、専門分野での経験を活かせるポジションが求められます。
40代以降になると、医師としての経験と実績が積み重なり、キャリアの集大成を迎える時期です。この時期に転職を考える場合、より良いポジションや環境を求めての転職が主な動機となります。また、キャリアチェンジとして開業や経営への転身を考える医師も増えてきます。
長年の経験を活かして、病院の管理職や教育・指導に携わるポジションを探すことが考えられます。また、専門性を活かした医療コンサルティングの道も選択肢の一つです。
40代以降は、家族や健康を考慮し、過度な負担を避けた勤務形態を求めることが多くなります。勤務時間や労働環境に配慮した転職が重要です。
40代以降の会社員は、一般的に高い地位に就くことが多く、転職が難しくなることがあります。一方、医師の場合は、専門性が評価されるため、年齢を重ねても転職のチャンスは多く残されています。しかし、管理職としての役割やリーダーシップが求められる場合もあり、経験を活かした戦略的な転職が必要です。
医師の転職において、年齢は重要な要素の一つです。20代ではキャリアの方向性を定める時期、30代ではキャリアの安定と収入アップを目指す時期、そして40代以降ではキャリアの集大成を迎える時期として、それぞれの年齢に応じた転職戦略が求められます。また、会社員とは異なる医師特有の転職事情を理解し、自身のキャリアゴールに合った道を選ぶことが、成功への鍵となります。年齢に応じた適切なキャリアプランを立て、医師としての充実したキャリアを築いていきましょう。
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転職を行う際は、自分の希望ばかりを伝えていてもなかなかうまく行きません。これももちろん大切な観点ですが、「相手の求める医師像はどんなものか」「どのようなアピールをしていけば、希望する病院(やほかの施設)に採用されやすくなるのか」、も同時に考えなければなりません。
相手にとって「雇いたい相手」であることが何よりも重要ですし、またそれを上手に売り出していくスキルも求められるのです。いくら医師としての技術が優れていても、自己アピールができるかどうかは別の問題になります。転職サイト選びは、転職先へ売り込むためのエージェント選びでもあります。
医療現場を知る当サイトのコンサルタントは、あなたの弱みを補いつつ、強みを強力な武器として転職先へアピールすることができますので、理想としている転職を実現できます。お気軽にご相談ください。
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