みなさんは転職を考える上で、転科まで視野に入れますでしょうか?
言うまでもないことですが医師はそれぞれ専門分野を持っていますから、その専門分野からほかの科に移ることは大きな決断だといえます。
では、なぜ人はこのような大きな決断をするのでしょうか。
ここでは、先人たちの見解を基に、「転科」が行われる理由や、転科によって生じるメリットデメリット、失敗しない転科のポイントについて解説していきます。
「転科」は非常に大きな決断だということもあり、転科を考えたことがないという医師が多いというイメージをお持ちではないでしょうか。
確かに、株式会社メディウェルが実施したアンケート調査によると、「今まで転科したいと思ったことがない」と回答した医師は全体の59%と最も多い割合を占めています。
一方で、「現在、転科したいと思っている」が10%、「過去に転科したいと思ったことがある」が31%と、約4割の医師は転科を考えたことがあるという結果にも注目すべきです。
診療科別に転科の希望を見てみると、現在の科によっても異なりますが、比較的残業が少ない眼科などでは70パーセント以上の医師が「転科を考えておらず、また考えたこともない」としています。
対して、残業が多いことで知られている救命救急医や産婦人科医などの場合は、半分近く(救急救命医の場合は半数以上)が「転科を考えたことがある(あるいは現在も考えている)」という統計結果が出ています。
出典:医師の転職に確かな情報を医師転職研究所『医師は「転科」についてどう思っている?人気の転科先は?』
https://www.dr-10.com/lab/change-departments/
転科を考える理由は、人それぞれです。
ここでは、転科を経験した医師たちの理由をご紹介します。
医師として勤務するうちに、「このままで良いのだろうか?」と振り返ったことが一度はあるかと思います。
今後のキャリアプランを考え、新たな分野に挑戦するために転科を考えるケースは多いです。
また、開業や継承を見据えての転科もよくあります。
・今の科にも不満はないが、実際に医師として仕事に携わっていくなかで新しい分野に興味がわいた
・非常勤で勤務したことをきっかけに他の科に興味がわき、一生の仕事にしたいと思った
・将来的に開業を考えているので、幅広い病気を見られるようにするために転科を考えた
実際に医師として働いているうちに、状況が変わって現在の科に適性がないことに気がついたというケースも。
・若いころはなんとなくこの科が向いていると思ったが、実際の現場に出てみるとそうでもなかった
・今自分ができることを振り返って、一番楽しいと思える科に移ろうと考えた
・年齢を重ねて、今の科は体力的に厳しいと感じるようになった
「残業時間が多い」「当直やオンコールがある」など、勤務時間の長い診療科では、ワークライフバランスを取るために転科を考える医師が多いです。
忙しい診療科では、結婚や出産などのライフイベントとの両立が難しいという声もあります。
・激務が原因で体を壊した
・自分の時間がほとんど持てず、精神的に限界
・結婚をして子どもを育てていきたいと考えている。今のままでは忙しすぎて婚活もできない
専門性の高い診療科や自由診療の診療科では、他の科に比べて収入も高くなります。
転科によって、今よりさらに収入を上げることも期待できるでしょう。
・給与が良いと言われる自由診療に転科し、収入アップを狙いたい
診療科によっては、コメディカルや他の科の医師との密なコミュニケーションが求められるところもあります。
中には人間関係に疲れて、産業医や健康診断医などの他職種との関わりが比較的少ない科に移るケースも。
・他科の医師と関わることが多く人間関係に疲れたので、なるべく他の医師との関わりが少ない科目への転科を考えた
転科先として、ワークライフバランスが取りやすい、平均収入が高い、転科前の知識を活かせるなどの特徴がある診療科に人気が集まっています。
美容皮膚科や美容外科など、美容系の診療科は転科先として人気の高い診療科です。
その理由として、3つ挙げられます。
1.心身の負担が比較的少ない
2.ワークライフバランスが取りやすい
残業はほとんどなく、当直も無いのでワークライフバランスが取りやすいのも魅力です。
3.高収入が期待できる
自由診療のため、高収入が期待できます。
美容外科の平均年収は、医師の平均年収の倍以上というデータもあります。
内部リンク:美容外科医の平均年収は?他科から転職する方法も解説
>>美容外科へ転科するメリットは?美容皮膚科との違いや失敗しないコツを解説
>>美容外科に転職するメリット・デメリットとは?未経験でも美容外科医になれる?
眼科も残業や当直勤務がないことから、ワークライフバランスの取りやすい診療科です。
厚生労働省の資料「医師の勤務実態について」によると、眼科で働く病院常勤勤務医の週あたり勤務時間は50時間28分でした。
全診療科の平均は56時間22分で、全体で最も勤務時間が短いのが眼科という結果が出ています。
精神科は、元々の診療科の知識を活かせることから人気を集めています。
精神科の患者様は身体合併症を有しているケースも多いため、身体面も診療できる医師が歓迎される傾向にあります。
特に内科や外科から転科した先生は、知識を活かせるでしょう。
また精神科医の需要の増加も、人気の理由です。
厚生労働省の「患者調査」によると、精神疾患を有する外来患者数は平成29年時点で389.1万人と、増加傾向にあることが分かっています。
(引用:厚生労働省「第13回 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会 参考資料」)
(引用:厚生労働省「第13回 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会 参考資料」)
近年、企業のメンタルヘルス対策が課題になっていることや、超高齢化社会で認知症患者が増加していることなどから、精神科医の需要はますます高まっていくでしょう。
加えて「医師の勤務実態について」では、病院常勤勤務医の週あたり勤務時間が全診療科の中で3番目に短いというデータがあり、ワークライフバランスの取りやすい診療科だと言えます。
転科のメリットとデメリットについて解説します。
・ワークライフバランスの充実
「ワークライフバランスを取りたい」という目的で転科して成功すれば、自分の時間を確保しやすい生活に変えることができ、ストレスも軽減され、家族と触れ合う時間も増えることでしょう。
・やりがいが得られる
自分自身が本当に向き合っていきたい科に移れば、そこでやりがいを見つけることもできるはずです。
「自分が本当にやりたかった医療」「自分が本当に取り組みたかった科」に転科できたときに得られるメリットは、非常に大きいといえます。
さらに、新しい科で新しい自分を発見できますし、年収がアップする可能性も十分にあります。
転科のもっとも大きなデメリットは、やはり「キャリアが中断される」ということです。今まで積み上げてきたキャリアがストップし、また新しいところから学び始めなければなりません。キャリアが中断されたことで、収入が下がる可能性もあります。
・キャリアが中断される
転科のもっとも大きなデメリットは、やはり「キャリアが中断される」ことです。
今まで積み上げてきたキャリアがストップし、また新しいところから学び始めなければなりません。
キャリアが中断されたことで、収入が下がる可能性もあります。
上述したように、転科にはメリット、デメリット共に存在します。
・学び直しが必要
「一から新しいことを学び直す」のはかなり大変です。
20年以上もの間眼科で働いてきた人が、形成外科に移れば2年目の医師よりも専門性において劣るということも、決して珍しくはありません。
転科を考えた場合、このようなストレス下においても、強い克己心と向学心を見せ、新しい科のことを一から勉強していく必要があります。
これまでのキャリアを大きく変える転科だからこそ、失敗したくないという思いも強いことかと思います。
そこで、失敗しない転科のポイントを3つご紹介します。
実際に転科をする前に、「まず自分はなぜ転科をしたいのか」という転科の目的を見つめ直した方が良いでしょう。
例えば、「今の科では忙しすぎてプライベートの時間がほとんど取れない」という動機であれば、転職の目的は「ワークライフバランスを整える」ということになります。
転科先を決める時に重要なのが、求められるスキルを把握することです。
転科の目的がキャリアアップであれば、求めるスキルや知識が身に付く診療科はどこかをしっかり確認すると良いでしょう。
例えば、これまで以上に患者様一人ひとりと向き合って傾聴スキルを磨くなら、精神科を選ぶのがおすすめです。
また、「これまで身に付けたスキルを活かせる診療科はどこか」という視点で転科先を探す場合も、求められるスキルを把握しておくことは役に立ちます。
初めての転科で、本当に転科が必要なのか、どの診療科を選ぶべきかなど、判断に迷うこともあるかと思います。
医療業界に精通するコンサルタントであれば、先生の転科が成功するようお手伝いが可能です。
一般的な転職エージェントとは違い、医療現場を熟知しているため、転科後のミスマッチを事前に防げるのが強みです。
先生のご希望に最適な転科先をご提案するのはもちろん、そもそも転科が必要なのかというキャリア相談もお受けできます。
目的によっては、転科ではなく転職であれば、これまで築かれたキャリアを継続して希望を叶えることができるかもしれません。
すでにご説明したとおり、転科にはキャリアが中断されるというデメリットがつきものです。
例えば、ワークライフバランスを整えることが転科の目的であれば、勤務先の規模や雇用形態を変えることで解決できることもあります。
また収入を上げたい場合も、週4日常勤で1日は給与の良い非常勤を入れたり、給与待遇の良い施設に転職したりといった方法で実現できるでしょう。
とはいえ、先生によってさまざまなお考えがあるかと思います。
転科を考えたら、まずは医師転職を専門とするコンサルタントにお話をお聞かせください。
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