医師のキャリアは専門性が高く、やりがいのある職業ですが、特に若手医師の中には「収入の少なさ」に不満を感じている人も少なくありません。初任給の現状や、年代・専門科目による給与の違いを理解することで、収入アップを目指したキャリア設計がより現実的になります。
この記事では、医師の初任給の実態を掘り下げ、転職による収入アップの可能性や、キャリアチェンジを成功させるためのポイントを紹介します。
初期研修医の時期は、医師としての第一歩を踏み出す重要な時期です。しかし、その給料は意外と低いのが現状で、初期研修医の平均月収は約30万円から40万円程度(厚生労働省のデータより、20~24歳かつ経験年数0年目で算出)。
一般企業の初任給の平均22万6,000円と比べると高いのですが、医学部の6年間の労力と学費を考えると、割に合わないと感じる人も多いようです。
また、医師免許を持ちながらも他の医療機関でアルバイトができないことが多いことから、収入源が限られています。このため、生活費や医師国家試験後の奨学金返済に苦労する初期研修医も少なくありません。
初期研修医の給料は、基本給と夜勤手当、その他の手当が含まれていますが、全体として大きな金額にはならないことが多いです。特に、大学病院などでは手当が少ない場合もあり、初任給は一般的なイメージに比べて低めです。
また、初期研修医の中には、月収が20万円台に留まるケースも見られます。勤務1年目はボーナス額もほとんどないため、年収も大きく上がらないのが現実です。
初任給が低い背景には、教育的な要素や、医療機関が研修医の育成に多くのリソースを投じていることが挙げられます。しかし、医師としてのキャリアが進むと、後に大きな収入増加のチャンスが訪れることを理解しておく必要があります。
後期研修医になると、収入は少しずつ上昇し、月収は40万円から60万円程度になることが一般的です。さらに、後期研修医はアルバイトができる機会が増え、休日や夜間に医療機関での非常勤勤務を行うことで追加収入を得ることができます。これにより、年間の総収入が大幅に上昇するケースもあります。
年齢 | 平均年収(男性) | 平均年収(女性) |
20~24歳 | 554万8,300円 | 365万8,400円 |
25〜29歳 | 727万5,800円 | 634万7,700円 |
30〜34歳 | 1,008万1,600円 | 883万6,800円 |
35〜39歳 | 1,444万6,900円 | 1,354万5,100円 |
40〜44歳 | 1,570万800円 | 1,218万8,000円 |
45〜49歳 | 2,087万1,100円 | 1,602万2,400円 |
50〜54歳 | 1,870万1,900円 | 1,603万300円 |
55〜59歳 | 1,896万6,300円 | 1,771万7,600円 |
60〜64歳 | 1,844万5,500円 | 1,655万7,500円 |
65〜69歳 | 1,851万5,500円 | 1,768万8,100円 |
医師の年収は、年齢と共に増加しますが、一般的には、40代から50代が医師の年収のピークです。この年代では、年間で1,500万円から2,000万円の年収が見込める医師も多くいます。しかし、科目や勤務形態、働く医療機関によって異なります。
40代になると管理職や専門医としての経験を活かして、より高いポジションに就く医師が増え、これが収入に反映されます。特に民間の病院やクリニックでは、管理職のポジションで収入が上昇することが一般的です。
医師の給与は、診療科目によっても大きく異なります。以下に、代表的な診療科目ごとの年収の目安を示します。
診療科 | 平均年収 | |
1位 | 脳神経外科 | 約1,480万円 |
2位 | 産科・婦人科 | 約1,466万円 |
3位 | 外科 | 約1,374万円 |
4位 | 麻酔科 | 約1,335万円 |
5位 | 整形外科 | 約1,289万円 |
6位 | 呼吸器科・消化器科・循環器科 | 約1,267万円 |
7位 | 内科 | 約1,247万円 |
8位 | 神経科 | 約1,230万円 |
9位 | 小児科 | 約1,220万円 |
10位 | 救急科 | 約1,215万円 |
外科の分野の場合、手術の頻度が収入に影響するため、手術数が多い医師ほど収入が増加します。一方、内科系は患者数に基づいた報酬体系が多く、手術を行わない分、安定した収入が見込めます。
また、上記の表は保険診療の分野になりますが、美容外科・美容皮膚科は自費診療を行う分、保険診療に比べて高い収入を得やすくなり、年収3000万以上の求人も存在します。特に現在は美容医療の需要が高まっているため、転職先としても人気です。
>>美容外科医の平均年収はなぜ高い?他科と収入の比較や業界トレンド、美容外科への転科方法も解説
>>医師の年収3,000万円を超える方法とは?高給与を実現するための戦略と求人情報を紹介
転職を考える際、医師として収入を大幅にアップさせるチャンスは多く存在します。特に、美容外科や自費診療の分野では、初任給からして高額な求人が多数あります。例えば、美容外科クリニックの月収は80万円以上スタートの求人が多く見られ、経験を積むことでさらなる年収アップが期待できます。
さらに、クリニックの管理職として働くことで、年収が2,000万円以上になるケースも珍しくありません。転職後に非常勤として複数のクリニックで勤務することで、収入源を多様化することも可能です。
キャリアチェンジを成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。
転職先として需要の高い分野を選ぶことが、収入アップやキャリア成功のカギとなります。例えば、美容医療や在宅医療は、患者ニーズが高く、医師としてのキャリアを柔軟に展開できる分野です。
専門的なスキルや経験を積むことで、転職後に高い報酬を得られる可能性が高まります。特に美容外科や自由診療の分野では、技術力が直接収入に結びつくため、常に最新の技術や知識を習得することが重要です。
フルタイム勤務だけでなく、非常勤やパートタイムで複数の医療機関で働くことで、収入の多様化を図ることができます。特に、クリニックの非常勤勤務は、効率的に高い報酬を得る手段として人気です。
医師の初任給は意外と低いことが多いですが、キャリアを積むにつれて大幅に収入が増加するチャンスがあります。また、転職を通じて収入アップを目指すことも現実的です。特に、自費診療の分野やクリニックへの転職では、収入の大幅な増加や、ワークライフバランスの向上が期待できます。転職を成功させるためには、自分のキャリア目標に合った分野を選び、スキルを磨くことが重要です。
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